12月30日に日本の他11カ国が参加する環太平洋パートナーシップ協定(TPP)が発効した。
発効の要件としては署名11ヶ国のうち過半数である6ヶ国が批准(国内承認)をとりつける必要があった。
日本をはじめメキシコ、シンガポール、ニュージーランド、カナダ、オーストラリアの6ヶ国が承認にこぎつけている。
ベトナム1月14日の発効が決まっているのでマレーシア、チリ、ペルー、ブルネイも早期の発効を目指すことになる。
人口規模で5億人の自由貿易園の成立にやっとこぎつける。
中国やEUに対抗できうる規模だ。
今後、前述の「TPP Eleven」の他に日本が推しているタイ、そしてイギリスが合流すると13ヶ国の規模になる。
イギリスが加わるとアメリカも参入しやすくなるのかもしれない。
何故日本がタイの加盟を推進しているか?
タイは日系自動車メーカーにとって東南アジアの生産の一大拠点だ。
従来であれば日本で生産された自動車の部品をタイの工場に送るとなるともちろん関税がかかる。
ところがTPPの自由貿易圏内なので非課税のまま輸出が可能になる。
さらにタイで生産された自動車が非課税のまま日本に逆輸出ができる事になる。
この図式は他の業種にもあてはまる。
繊維アパレル業界は脱中国化がすすむだろう。
ベトナムあたりが繊維生産の拠点になるのではないだろうか?
もちろん良い話ばかりではない。
問題は安い農産物の流入だ。
牛肉や豚肉、チーズ、果実など農畜産物の関税が引き下げられる事になる。
ただここは日本の農家も守りに入るのでなく攻撃にでるべきだ。
まずは高付加価値の日本の果物で輸出攻勢にでるべきだろう。
例えば日本のリンゴだ。
世界でも屈指の人気を誇っているのは有名な話だ。
政府も後ろ盾をしないといけない。
とりあえず現段階ではアメリカがTPPに参入していないので安いカリフォルニア米の入ってくる事はない。
ただアメリカのTPP参入は時間の問題だと思われる。
米についてはしかるべき対応を急いだほうが良いだろう。
アメリカといえば現在、保護貿易にやっきになっている。
EUの報復関税にハーレー社が海外生産を始めるという皮肉な結果もでている。
アメリカは確かに大消費国家だ。
多くの国がその輸出でその恩恵を受けて来たことも否定はできない。
でも世界最大のGDP国家があまり内にこもっているのも考えものだ。
しかるべき時期に日本がリーダーシップをとりアメリカをTPPに復帰させないといけないと思う。