昔、あるブラジルに移籍した有名プロサッカー選手のテレビ番組があった。
その選手の友だちがブラジルに会い行くという内容だ。
生活習慣が異なる国で単身乗り込んだその選手の日常生活が番組の主旨だ。
ところでその番組の中でそのプロサッカー選手がやたとに口にしていたのが日本の「垢すりタオル」だった。
日本の家庭であればほぼ必ずあると思われる「垢すりタオル」がブラジルには無くて探しているという。
確かにサッカー選手であれば相当の汗をかくであろう。
日本でなら練習が終わって食事の前に風呂に入ってこの「垢すりタオル」で体を洗うのは至極当然の事である。
そもそも体をぬるぬるしていて気持ちが悪い。
よく「垢すりタオル」を忘れて温泉宿などに行くなんともしっくり来ない。
一般的なタオルに石鹸をつけて洗っても「垢すりタオル」のような爽快感を得ることができない。
こんな機能的な商品が当時のブラジルに無かったようだ。
現在はどうなっているかは不明だ。
そもそも海外の国には垢すりという概念はないのだろうか?
日本人のイメージは概ねバスタブにソープを泡立ててあのボディーブラシで背中をゴシゴシしている姿であろう。
もちろんあのブラシで汚れ自体は落ちるだろうが、あのぬるぬるした「油脂汚れ」は落ちているのか疑問だ?
最近ではネットで日本製の「垢すりタオル」は大人気になっているらしい。
また日本に観光に訪れている外国人のみやげに「垢すりタオル」は人気だとか。
やっとこの「垢すりタオル」の機能性が外国人に認知されたかと思う。
風呂といえばもうひとつ気になっているのが海外には「湯船につかる」という文化がない事だ。
海外では「バスルーム」は体を洗浄するためのスペースという考え方だからだ。
しかし日本の「風呂」には洗浄という目的の他に「癒し」という目的も持ち合せている。
だから「垢すりタオル」で身を清めた後に浸かる湯船に入っていると「日本に生まれて良かった」と実感できるのであろう。
欧米人は体臭がきついので男性にもオーデコロンなどの香水文化が発達したと言われている。
日本で男性の香水文化が定着しないのはやはり「風呂文化」のおかげだろう。
日本男子たる者「垢すりタオル」で体を磨きあげ、熱めの湯で体を清めて翌日の戦に臨まなければならない。
海外の生活習慣を中傷するつもりはない。
日本の生活習慣の快適性に海外が気付き始めた事にほくそ笑んでいるだけだ。