塩分と脂肪は極力控えている。
血圧と中性脂肪の数値が気にかかるのは自分だけの話ではないだろう。
だから自宅での夕食は特に味気ないものになっている。
醤油の変わりにレモンなどの酸味料というけれどレモンに醤油の代打は難しいように思える。
だから自宅でも気になっているのけれどついつい調味料を多めにかけがちだ。
しかしこれは自宅だからまだコントロールできていると思う。
近くのラーメン屋に行って「薄く作ってくれ」とも指示するわけにもいかない。
「うちの店の味が気にくわないなら他の店に行ってくれ」と頑固親父の店主から怒鳴られそうだ。
これはある外食産業の取引先の方から聞いた話だ。
外食で味が濃くてクレームになる事はないそうだ。
もちろん常識の範囲内の話だ。
ところが味が薄いとクレームになり易いというのだ。
だからどうしても外食の味は濃い方にシフトし易いらしい。
もちろん健康志向を売りにしている外食チェーンの話は別だ。
「塩分控えめ」は今や大きな差別化のひとつでもある。
この常識に仮説を立てるなら、「味が濃いという事は調味料をしっかり使っている。ゆえに対価を払うに値する」というものだ。
逆に「味が薄いという事は調味料をけちっている。ゆえに対価を払うに値しない」という事なのだろう。
自分はあるラーメン屋の主人からこんな事を言われた事がある。
ラーメンが自分の前にでたらまずは胡椒をかけずにスープの味を確認して欲しいというのだ。
確かに日本人はラーメンがを食べる前に必ず胡椒を振る習慣がある。
これは提供者側の理論からすればまず「すっぴん」の状態で食べてみて欲しいというのは本音だろう。
これと同じことは多々行われている。
あんかけ焼きそばを食べる前にお酢をかけたり、パスタの前にタバスコをかける行為だ。
そう調味料をかける事が習慣になってしまっている。
もともとの味はその店の主人が自信を持って作った味だ。
まずはその味に敬意を表するべきではないだろうか?
仮に味が薄ければそれがこの店のスタンダードと思って、テーブルにある調味料で調整すれば良い話なのである。
もちろん客は神様だから店側もクレームに文句で対抗する事はないだろう。
しかし先日のテレビで触れていたが、濃味になれている人の舌はどんどん麻痺しているらしい。
薄味の習慣に戻すほうが理想のようだ。
外食は本当に濃味だ。