東京の地下鉄には経営母体に関係なく路線番号が通しで割り当ててられている。
今回は4号線と言われている東京メトロ丸ノ内線について触れてみたい。
丸ノ内線は豊島区池袋駅から杉並区の荻窪駅までを結ぶ24.2km(中野坂上駅-方南町駅間の分岐線3.2kmも有り)の路線だ。
池袋駅から東京駅、銀座駅を経由して新宿駅に至る環状線のような役目を持つ。
この路線に乗っていると興味深い光景に二回、目にする事ができる。
東京という街は「谷の街」だ。
この丸ノ内線に乗車しているとこの「谷の街」を実感できるのだ。
池袋駅から乗車して二つ目の「茗荷谷駅」から「後楽園駅」に至る区間は地下鉄ながらも地上(一部トンネル区間有り)にでてくる。
並行する国道254号(川越街道)と共に谷区間を走ることになる。
また「赤坂見附駅」を出て「四谷駅」手前あたりから再度地上に出てくる。
右側に上智大学のテニスコートが広がっている。
まさにこちらも谷の風景だ。
ところでこの二つの駅名を思いだしてほしい。
「茗荷谷駅」と「四谷駅」だ。
まさに谷にある駅という事が理解できるだろう。
さてこの丸ノ内線を乗りこなすにあたってポイントになるのが前述の「赤坂見附駅」だ。
「赤坂見附駅」では丸ノ内線と銀座線がホームを並べており方向別に二層構造になっている。
丸ノ内線で新宿駅・荻窪駅方面と銀座線の渋谷駅方面が上層階で、丸ノ内線で池袋駅方面と銀座線の銀座駅・浅草駅方面が下層階にある。
たとえば銀座方面から銀座線に乗ってきて新宿駅に向かいたい場合はホームをおりて向かい側に来る丸ノ内線に乗れば良いのだ。
乗降客の利便性を非常によく考えている。
ちなみに「赤坂見附駅」の開業念は1938年(昭和13年)だ。
この当時にこの利便性を考えていたことに驚く。
また「中野坂上駅」から「方南町駅」方面に分岐駅を作っていることも凄いと思う。
こちらの目的は車庫の確保だ。
現在は「東京メトロ中野車両基地」になっている。
開業当時はこのあたりは比較的ゆったりとした郊外だったのではないだろうか?
銀座線のように都心部に車庫を確保するのは回避したのだろう。
この後東京メトロ(旧帝都高速度交通営団)は民営鉄道と手を組んで郊外に車庫を確保するようになっていく。
次回は5号線と呼ばれている東京メトロ東西線について触れてみたい。