また新しい言葉がでてきた。
「プレマタハラ」とは何なのか?
この言葉は「プレ」と「マタハラ」に分解すると理解しやすい。
「プレ」とは「プレオリンピック」や「プレオープン」に代表される「本番前の試験的な意味合い」で使われる。
もとを辿れば「以前の」、「前の」の意味になる。
「マタハラ」はお察しの通り「マタニティー・ハラスメント」の略で働く女性が妊娠・出産を機に職場で精神的・肉体的なハラスメントを受けたり、妊娠・出産を理由に解雇や雇い止めなどの不当な扱いを受けることだ。
ということはこの「プレマタハラ」とは妊娠前の「妊活」時にうけるハラスメントを意味する。
妊娠もしていないのに何故ハラスメントを受ける不思議な話だが、状況はかなり深刻のようだ。
現在、不妊の検査、治療をしている夫婦は5.5組に一組いるという。
以前子供がいない夫婦の割合は全体と10%と聞いたことがあるが、もっと悪化しているようにも見える。
ところでこの不妊治療は働く女性にはかなりの負担になる。
「妊活」のために5人に一人の女性は職場を去っていく事になる。
その理由は治療の費用もさることながら通院回数やその時間に影響しているようだ。
政府が進めてきた「一億総活躍社会」とはあまりにもかけ離れた現実がここにある。
たぶんに女性の社会進出による晩婚化も拍車もかけているようで若い頃に比べて「妊娠の機会損失」も否めないような気がする。
という事でこの「妊活」をすすめながらも職場に残る女性たちに対して「プレマタハラ」が行われているという事だ。
ただ自分は誤解を恐れずにいえば、現代の会社において余分の人員を置いている会社などは存在しない。
あるとすればお役所ぐらいだろう。
だからその「妊活」をしている女性が頻繁に休む事がどれだけまわりの負担になっているかも察する事もできる。
日本においてワークシェアリングは定着しないと思っている。
日本という国はチーム分業型で仕事を進めるために自分の守備範囲は自分で守る傾向が強い。
よく欧州で一社員が月単位の大型休暇を消化しても仕事が無くならないのはチームメンバーがすべての業務内容を把握しており、不在時のサポート体制ができているからではないだろうか?
日本は2週間も職場に穴をあけると自分のポジションが無くなる可能性さえあるから皆自分の仕事に固執したがるのだ。
この解決策はやはりテレワーク(在宅ワーク)なのかもしれない。
政府も「一億総活躍社会」をすすめるならもう少し真剣に考えて欲しいものだ。