今上天皇は来年の平成31年(2019年)4月30日をもって退位される。
今度の敬老の日は「平成最後の敬老の日」となりそうだ。
でも我々シニアにとって「敬老の日」は微妙な存在だ。
どこか老人と認めたくなく自分がいつもいるからだ。
電車で席を譲られたことはまだないがもし譲られた際には気持ちよく「有り難う」といえる自分でありたいと思っている。
そこで頑固親父のように「まだ自分はそんな歳ではない」と文句をいう事があればそれは譲ってくれた若者の立場が無くなる。
ところで今年の「敬老の日」はいつだかご存じだろうか?
一般的な概念だと9月15日だった。
ところが平成10年の「国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律」により「成人の日」と「体育の日」が「ハッピーマンデー制度」の対象になる。
そして平成13年の「国民の祝日に関する法律及び老人福祉法の一部を改正する法律」により「海の日」と「敬老の日」も「ハッピーマンデー制度」の対象となった。
「ハッピーマンデー制度」とは国民の祝日の一部を従来の固定日から特定週の月曜日に移動させる法改正だ。
単純に「三連休」を増加させる景気の起爆剤を狙ったものだ。
ちなみに今年の「成人の日」は1月8日月曜日で「体育の日」は10月8日月曜日だ。
また「海の日」7月16日月曜日で「敬老の日」は9月17日月曜日になっている。
特に「成人の日」は帰省した成人が地元で正月休みの延長上で成人式に出席できるように考慮したものだと思う。
従来の1月15日では再度、帰省の必要があり合理的といえば合理的な発想だ。
また9月の「敬老の日」の設定は「シルバーウィーク」と称される大型連休を作るための布石と言われている。
というのは秋分の日によっては最大5連休となる可能性があるからだ。
例えば秋分の日が第三週の火曜日だと土曜日から4連休となる。
また水曜日に当たった場合は火曜日は祝日と祝日に挟まれた「国民の休日」となり5連休が実現できるというものだ。
もちろん景気起爆剤としては有効なのかもしれないが、昨今の景気低迷を見るとその間に働き続けている人は決して少なくなく、経済的不平等はより広がっている事を感じてしまう。
特に収入の少ない高齢者が「敬老の日」に働く姿は忍びない。
資本主義といってしまえばそれまでだが、今後拡大化する貧富の差をこの「敬老の日」に考えてみたい。