北関東にお住まいの方だとご存じだと思うが「セーブオン」というローカルコンビニがある。
1983年(昭和58年)にスーパーマーケットである「いせや」によって立ち上げられたコンビニエンス事業だ。
この「いせや」はのちに「いせやホームセンター」を設立、これがカインズホームとなり、その後、建設関係の方には有名な「ワークマン」を設立する。
現在では群馬発の巨大な「ベイシアグループ」になっているのだ。
北関東以外の方でもカインズは知らなくても「ワークマン」や「ベイシア」の名前は聞いたことがあるだろう。
「ベイシアグループ」の年商は9,000億円の届く勢いだ。
ところでこの優良企業グループである「ベイシアグループ」の「セーブオン」が明日8月31日を持って閉店する事になる。
店舗数は159もある。
セーブオン本部はローソンと「メガフランチャイズ」の契約を結び既存店はローソンに移行する事になる。
ローソン(13,992店舗)側にしてみればセブンイレブン(20,437店舗)、ファミリーマート(16,878)に店舗数でかなり水を空けられている。
数の競争だけみればこのような中小チェーンの吸収が最も手っ取り早いという事だ。
また「ベイシアグループ」側にしてみれば大手コンビニ三社の競合にこれ以上の自社チェーン拡大に無理を感じていたのだろう。
ましてやグループ内の他の業態は順調に推移している。
経営の選択と集中による譲渡だったのではないだろうか?
思いかえせば全国には数多くのコンビニエンスストアがあったがその多くが大手三社に集約されてしまった。
その他独立系で展開しているのはイオン系の「ミニストップ」、北海道を中心に展開している「セイコーマート」、山崎パン系列の「デイリーヤマザキ」ぐらいだろう。
「スリーエフ」と「ポプラ」はローソンとの業務提携を進めている。
トップを行くセブンイレブンは「セブン&アイホールディングス」の傘下だ。
この「セブン&アイホールディングス」と「三井物産」のタッグは昔から有名だ。
セブンイレブンは三井物産がないと機能しない。
そして二位を行くファミリーマートの筆頭株主は「伊藤忠商事」、そして三位を行くローソンの筆頭株主は「三菱商事」だ。
知らない間にコンビニは大手総合商社の主戦場になっていたのだ。
今後、イオンと仲の良い「三菱商事」が狙うのは4番手のコンビニのあそこかもしれない。