「トルコ・リラ」への投資を結構どこも勧めていたようだ。
概ねハードカレンシー(国際決済通貨)以外への投資は「ハイリスクハイリターン」になる。
トルコは振興国のなかで高い安定性を買われた格好だ。
今年の正月明けの金利は8%で、僅か0.1%しか金利のつかない日本の銀行などはくらべものにならないぐらい美味しい存在だった。
そこに起きたアメリカ人牧師の拘束問題だ。
その容疑は2016年にエルドアン大統領政権を転覆しようと軍によるクーデターが起きたがこのアメリカ人牧師がこのクーデタに関与されたというものだ。
もちろんアメリカのトランプ大統領はこの牧師の解放を申しでるがトルコ側の反応がない。
気が短いトランプが「関税引き上げ」を発表したところでトルコ・リラが僅か1日で20%も暴落したという流れだ。
エルドアン大統領といえば2020年夏季オリンピック誘致合戦で東京に決まった際にいち早く安倍総理のもとに駆け付けた人で覚えている方も多いと思う。
ところがこのエルドアン大統領もトランプと並んで少々曲者のようだ。
アメリカに対して強気な姿勢は変わっておらず国内向けには「通貨危機」を否定している。
でも経済は一国ではまわっておらず、すでに影響が出始めている国がある。
13日に南米のアルゼンチン銀行が政策金利を5%引き上げ金利を45%にすると発表した。
もともと5月に金利40%にあげていたアルゼンチンのペソが対米ドルで更に下落した格好だ。
このままドミノ倒しで振興国の通貨が急落する可能性がある。
それにもしても金利45%とはすごい世界だ。
100万円預けておけば一年後に145万円になっている。
ただし一年後にペソが紙屑になっている可能性もかなり高いというわけだ。
このアルゼンチンは過去に8回もデフォルト(債務不履行)の前科があるだけに今回のトルコ・リラ下落に伴うアルゼンチン金利上昇は要注意だ。
特に日本はトルコと歴史背景(エルトゥールル号遭難事件)があり友好国の立場にある。
またイランイラク戦争の際にイラクで邦人救出に一役買ってくれたのはトルコでもある。
そしてアメリカとの関係もある。
日本は今回なかなか難しいかじ取りが必要になりそうだ。
どちらを擁護する事はできない。
双方の間に入り仲介役に徹するほうが理想だろう。
そもそもトルコはアメリカと同じNATOの一員だ。
もっとクレバーは解決方法はあると思うのだが。