鹿児島本線の起点は福岡県北九州市にある門司駅だ。
博多駅、熊本駅と経由して終点は鹿児島県鹿児島市にある「鹿児島駅」だ。
また日豊本線の起点は福岡県北九州市にある小倉駅から大分駅、宮崎駅と経由してこちらも鹿児島県鹿児島市に「鹿児島駅」だ。
一見すると「鹿児島駅」が鹿児島市の中心駅のイメージだが現実には違う。
鹿児島本線の「伊集院駅」の時刻表を見ると下りはそのほとんどが鹿児島駅のひとつ手前の「鹿児島中央駅」行きであり、一部日豊本線の国分駅や宮崎駅行があるが鹿児島駅行きは僅か一本しかない。
それでは逆に日豊本線の国分駅の時刻表を見てみると川内駅、隼人駅、伊集院駅行き数本あるだけで後は「鹿児島駅」の一つ先の「鹿児島中央駅」行きばかりだ。
そう鹿児島市内の中央駅は「鹿児島駅」ではなく「鹿児島中央駅」なのだ。
往年の寝台特急「はやぶさ」の終点は「西鹿児島駅」だったことをご存じの方も多いと思う。
九州新幹線が開業するまで「鹿児島中央駅」は「西鹿児島駅」と呼ばれていた。
現在の「鹿児島駅」は町の北東のはずれにあり戦後、街の中心駅はこの「西鹿児島駅」にとって代わられた。
現在でも日豊本線の特急「きりしま」は停車はしているが、かなりこじんまりとしたローカルな駅になっている。
2017年JR九州のデータを見ると「鹿児島中央駅」の乗降客数は20,597人でJR九州内第三位。
ちなみに「鹿児島駅」の乗降客数は1594人でJR九州内第115位だ。
「鹿児島中央駅」には新幹線が停まるというアドバンテージがあるにしてもこの「栄枯盛衰」は凄いと思う。
同じように中央駅が苦戦している都市がある。
兵庫県にある神戸市にも「神戸駅」は存在するがこの都市の実質的な中央駅は「三宮駅」だ。
「三宮駅」にはすべての特急電車が停車するのに対し、「神戸駅」には特急「はまかぜ」しか停車しない。
またJR西日本の乗降客数を見ても「三宮駅」がおよそ123,000人でJR西日本管内5位なのに対して「神戸駅」およそ70,000人で8位につけている。
もちろん鹿児島市と違って神戸市は京阪神地区なので乗降客のパイはもともと大きい。
とはいえ「神戸駅」を名乗る以上は復権を望みたいところだろう。