「不当景品類及び不当表示防止法」は事業者が売上向上のために各種広告等で自社の商品の過剰宣伝を抑止させるものだ。
とかくテレビコマーシャルやネット、雑誌等の媒体でのキャッチコピーまた販売促進のために使用される景品類の扱いについて審査される。
仕事柄よく都内の近郊で開催されるの大規模展示会に訪れた。
日本だけでは世界中の企業が必死になって「売れる商品」や「付加価値の高い商品」の開発に血眼になっているのがわかる。
今では「安かろうが悪かろうが」の商品は通用しない。
まずスタートラインが「良い商品」なのだ。
そこから「価格」、「デザイン」、「スペック」などの条件で市場で振り落とされて行くのだ。
これだけ皆が必死になって商品開発を進めている中、その商品を市場に残すためには各社、ぎりぎりの攻防をしかけてくる。
そこを監視しているのが「不当景品類及び不当表示防止法」だ。
今回ファーストフードのマクドナルドに措置命令がでた。
成形肉から作った「東京ローストビーフバーガー」と「東京ローストビーフマフィン」を肉塊から作った牛肉のように宣伝したというものだ。
これはかなり曖昧な世界だ。
広告代理店や販売促進の担当者は「美味しく見せる」のが仕事だ。
何とかぎりぎりのラインを狙ったのだろうが、消費者庁のジャッジは赤だったという事になる。
実はこの手の話は結構ある。
例えばオレンジジュースの包材に使用されるデザインで、オレンジの断面図を絵柄にしているものは多い。
がこのデザインを使えるのは「果汁100%」のオレンジジュースだけだ。
逆にいうと断面図がないデザインは「果汁100%」とではないという事になる。
また世界的にも珍しい日本の「缶コーヒー」だが100g中の生豆の使用量等により厳密に選別されている事はご存じだろうか?
5g以上使用されているものが「コーヒー」、2.5グラム以上5グラム未満が「コーヒー飲料」、1グラム以上2.5グラム未満が「コーヒー入り清涼飲料」となる。
また製品に乳固形分を3%以上含まれていると「コーヒー乳飲料」となる。
今流行の「ラテ」はこちらの分類に入ってくるのかもしれない。
日々、商品開発担当者は規制と売り上げのはざまの中で商品開発に勤しんでいる。