県名と県庁所在地名が異なる所がある。
この複雑さゆえに地理を嫌いになった方もいるのではないだろうか?
名と県庁所在地名の異なるところを並べてみる。
北海道-札幌市
岩手県-盛岡市
宮城県-仙台市
茨城県-水戸市
栃木県-宇都宮市
群馬県-前橋市
埼玉県-さいたま市(旧浦和市、旧大宮市、旧与野市、旧岩槻市が合併)
神奈川県-横浜市
山梨県-甲府市
愛知県-名古屋市
石川県-金沢市
三重県-津市
滋賀県-大津市
兵庫県-神戸市
島根県-松江市
香川県-高松市
愛媛県-松山市
沖縄県-那覇市
実をいうとこれは時の明治政府が官軍側についた県と「佐幕(徳川幕府を味方した側)」を区別するために分けたと言われている。
そういわれてみると関東に多いようだ。
ちなみにさいたま市は旧の浦和市と大宮市、与野市後に岩槻市が合併したものなので厳密には対象外になると思われる。
また札幌市と那覇市についても時代考証からみて対象外と思われる。
ただ御三家と言われた紀州徳川家の和歌山県が入っていないのが気になる。
実は福島県、山形県、福井県、和歌山県は例外として同一県名が県庁所在地になっている。
当時の明治政府内にも力関係があったのかもしれない。
ところでこの県の設定にもいろいろな紆余曲折があったようだ。
何しろ明治4年の段階で3府(東京、京都、大阪)の他に302の藩が存在していた。
例えば青森県。
青森県は東側の「南部藩」と西側の「津軽藩」が昔から仲が悪いのは有名な話だ。
長野県の長野市と松本市の不仲も有名だ。
松本市はもともと廃藩置県が行なわれる明治4年までは「筑摩県」の県庁所在地だったのだ。
確かに松本市は松本城といい県都の風格がある都市だ。
松本市側にとっては合併によって長野市に県庁所在地の座を取られたという格好だ。
静岡県の浜松市も似たような境遇だ。
ひとつの県のなかで政令指定都市競争を繰り広げた静岡市と浜松市も永遠のライバルだ。
そもそも静岡市は「駿府の国」で浜松市は「遠江国」。
廃藩置県後、「浜松県」が設置されたが1876年に静岡県に吸収合併されている。
そのくやしさからか現在、静岡県で一番の人口を有する。
確かに302県では多すぎる。
だが強引な線引きは後世に遺恨を残したようだ。