前回に引き続き「寝台特急サンライズ」について触れてみる。
「サンライズ瀬戸」は東京駅から岡山駅まで「サンライズ出雲」と連結して行き、岡山から山陰の出雲方面と四国高松方面に分岐する。
ところで寝台特急電車の一番のデメリットは何かご存じだろうか?
それは昼間のアイドルタイム(生産性が落ちる時間帯。すなわち休憩や待ち時間の事)だ。
東京駅を前日PM10時に出発した「サンライズ出雲」は翌朝のAM9時58分に出雲市駅に着く。
上りの「サンライズ出雲」は18時51分発だからその間はほぼ清掃とメンテナンスしかできない。
さて「サンライズ瀬戸」というと期間および日にち限定ながらも高松駅に着いたあと土讃線の琴平駅まで延長運転をしている。
岡山駅よりAM7時27分に高松駅に到着した「サンライズ瀬戸」。
7時54分発で今来た線路を再び戻る事になる。
土讃本線の分岐する多度津駅、善通寺駅と停車して「琴平駅」に8時52分に到着する。
「琴平駅」は言わずと知れた金刀比羅宮(ことひらぐう)の最寄駅で、お客様の利便性を考えての運転だと思う。
この区間のみの乗車は不可能だ。
またこの駅で下車される方には宇多津駅から高松駅区間の料金は計算されないとの事だ。
ただし前述したように運転する日には注意は必要だ。
事前にJRに確認される事をお奨めする。
話を戻そう。
実を言うとこの「サンライズ瀬戸」は1999年から2009年までは愛媛県の松山駅まで延長運転をしていた。
松山市は四国一の都市であり道後温泉など観光資源も多い。
やはり「サンライズ瀬戸」はアイドルタイムが多いと以前から考えられていた様で何とか昼間の有効利用を考えていたのだと思う。
ではなぜ「サンライズ出雲」は出雲市駅から先への延長運転をしないのか?
答えは簡単だ。
「サンライズ」が走れないからだ。
「サンライズ」は「電車」だ。
電化されていないところは走れない。
山陰本線では京都駅から城崎温泉駅区間と伯耆大山駅から西出雲駅間しか電化されていないので走ろうにも走れないのだ。
なお伯耆大山駅から倉敷駅までの伯備線は山陽新幹線開業時に陰陽連絡路線として早い時期に電化されている。
という事で「サンライズ瀬戸」の延長区間の謎も解けたはずだ。
JR四国の電化区間は予讃本線の高松駅-伊予市駅(松山駅の5つ先の駅)、土讃本線の宇多津駅から琴平駅間、そして本州に渡る本四備讃線のみだ。
興味のある方は地図を広げて見て欲しい。
何ともわかり易い話だ。