福岡に旅行に行った事がある方ならまず行かれるのが大宰府にある「大宰府天満宮」だ。
この神社は学問の神様と言われる菅原道真公を祀る事で有名だ。
ところで「天満宮」は「天神」とも称されるが、この「天神」には「天神信仰」なる言葉もある。
「天神信仰」は天神(雷神)に対する信仰の事だ。
だから菅原道真公は「天神様」として信仰の対象となった歴史がある。
ではその経緯は何なのか?
当時、右大臣だった菅原道真公は藤原氏の陰謀により大宰府に左遷させられ延喜3年(903年)に亡くなった。
ところが延長8年にこの陰謀に関わっていた面々が京都にある清涼殿で落雷に合い命を落とす事になる。
後にこれが菅原道真公の怨念として語り継がれるようになり「天神信仰」が産まれたという。
確かに雷に関する研究の進んでいなかった当時にしてみればそのような信仰も理解できる。
この「天神信仰」の「天満宮」と名のつくものは日本全国10300社ある。
この中の総本社が大宰府天満宮で、天神さんの総社が京都の「北野天満宮」となっている。
この「総本社」はいろいろとある。
天照大御神を主祭神とする「神明神社」の総本社はご存じ「伊勢神宮内宮」だ。
全国には東京の「東京大神宮」や京都の「神明神社」などがある。
「氷川神社」の総本社は埼玉県さいたま市にある「大宮氷川神社」だ。
こちらは「氷川信仰(スサノオの対する神道の信仰の一つ)」に基づくものだ。
日本全国におよそ1300社ある「浅間神社」の総本社は「藤山本宮浅間大社」だ。
信仰の対象は「富士山」を神体山としている。
海の神である「筒男三神」と「神功皇后」を祭神としているのが大阪府住吉区に「住吉大社」が「住吉神社」の総本社だ。
「経津主大神(ふつぬしのおおかみ)」を祭神とする「香取神社」の総本社は千葉県香取市にある「香取神宮」だ。
香取神社は全国におよそ400社あると言われている。
「水天宮」といえば東京の人は中央区にある水天宮を思いだすかもしれないが、実は福岡県久留米市の「久留米水天宮」が「総本宮」となっている。
と有名どころを挙げてみたがこの他にもたくさんある。
最近では「御朱印」ブームもあいまって全国の神社にお参りが人気となっている。
この総本社との繋がりも考えながら神社をまわってみると新しい発見があるかもしれない。