「孫の日」は10月の第三日曜日だ。
1999年に日本百貨店協会によって提唱された。
日本記念日教会の認定を受けているが、国の定めた祭日でもなければ休日でもない。
たぶんに9月の第三月曜日に設定されている「敬老の日」に相対させている。
バレンタインに対するホワイトデーのような存在だ。
そもそも敬老の日は国が定めた休日なのに何故民間の組織がこのような日を設定するのか?
それはもちろんプレゼント需要を喚起して孫向けの商品販売を拡大させるのが狙いだ。
ホワイトデーはバレンタインデーの盛り上がりに便乗してマシュマロ業界が仕掛けたという噂がある。
だからホワイト(白い)デーなのだが、その真意は定かではない。
日本の流通は昔からこの手の「催事」にかこつけて消費を拡大してきた。1月から並べてみると、「お正月」、「成人式」、「節分」、「バレンタインデー」、「ホワイトデー」、「ひな祭り」、「卒業式」、「入学式」、「母の日」、「端午の節句」、「父の日」、「夏休み(盛夏)」、「敬老の日」、「クリスマス」といった具合だ。
ここに来て新興勢力としてこの「孫の日」や「ハロウィン」などが入ってきている。
そう日本人はこの「催事」というものに非常に弱いのだ。
えてして該当する催事には人並みにお金を使う事が日常化してしまった。
ある種の脅迫概念なのかもしれない。
特に「孫の日」にはその可愛さもあって拍車がかかる。
「一人の孫には6ヶの財布がある」と言われている。
子供の両親とそのまた両親(祖父母)だ。
少子化が進む現代ではその一人の孫に使える「可処分所得」も大きくなる。
していは双方の祖父母家でのプレゼント合戦が始まるのだ。
百貨店など流通サイドからしてみたらまさにうってつけのイベントという事になる。
まさに今の子供達は幸せだ。
と思うのはあまりにも短絡的で今後、進む少子化のなかで高齢者を支える現役世代の負担はどんどん重くなる。
2025年には現役世代18人で65歳以上の高齢者を支える事になっている。
今の子供達が大学を卒業する頃にはその負担はもっと重くなっているだろう。
まさに「孫の日」のプレゼントは将来に対する自分達への投資なのかもしれない。
もちろん購買力が減る高齢者の消費喚起効果は期待できる。
あまり刹那的な気持ちではなく孫の笑顔を想像しながらプレゼントを選んでいただきたい。