会社勤めをしていた方だと「ほうれんそう」という言葉を良く耳にされたのではないだろうか?
「ほうれんそう」とは「報告」、「連絡」、「相談」の頭文字をとっている。
会社という組織の中では上司、同僚、部下と「報告、連絡、相談」をまめにしないと仕事をミスしますよという戒め的な標語だ。
これを取引先で初めて見た自分は、何とうまい語呂合わせなんだと感心した。
この言葉を発見した人は凄い観察力だと思う。
最近では「日本心臓財団」のテレビCMの武田信玄と上杉謙信による「進言と検診」の語呂合わせに感激したが、それくらい身近な野菜を使ってインパクトを持たせている。
さて昨今の報告や連絡もIT機器の導入によりだいぶ様変わりした感がある。
ちなみに皆さんは「IT」の意味はご存じだろうか?
「IT」とは「information technology 」の略で「インターネットなどの通信とコンピューターによる情報技術」を意味する。
1995年マイクロソフトが発売した「Windows95」によりオフィスを取り巻く環境は一変した。
ある日からEメールが使えて当たり前。
エクセルが使えて当たり前。
お客様からは書類をフロッピーディスクで提出を求められる。
そんな状況に当時40歳を超えていた方はかなり苦労されたのではないだろうか?
本来、社内での報告は正式なものであれば文書を提出、もしくは上司の元に向かって口頭での報告が当たり前だった。
それがある日突然、メールに変わってしまったのだ。
何故メールなのか?
それは履歴が残る。
そして複数の人間に一斉配信ができる。
そして資料を添付ファイルで送れるなど良い事づくめだからだ。
そしてその流れは現代に至り、当日の休暇届けをメールでも許す会社もでてきている。
まだこれは許せるにしても昨今の若者はこのメール報告の拡大解釈を始めて、退職届けまでラインで済ます新入社員もいるようだ。
ある人突然上司のもとにラインが来て「一身上の理由によい退職させてください」というわけだから始末が悪い。
かと言ってメールを否定するつもりはない。
自分も重宝に使わせてもらっている。
ある人が言っていた。
メールの言葉には温度がない。
だから送信者が笑っているのか怒っているのかもわからない。
本当にそう思う。
必要な時にはその当事者にあって報告して連絡して、相談しないと相手の感情を見えてこなくなる。
ほうれんそうは生で食べてはいけないという事だ。