新商品の販売テストをする際に選ばれるの北海道や静岡県だ。
北海道人は新しもの(東京の文化)好きで、商品にすぐ飛びつくという。
静岡県は気候、経済面などが典型的な日本の縮図として選ばれているようだ。
確かに東京と名古屋という二大都市圏に挟まれており、中立的なイメージがある。
いわゆる『平均的な日本人』なのだ。
さて流通業において新規出店の際のリサーチにもっと面白い傾向があるという。
流通業が新しい業態を始める場合には、『名古屋』に実験店舗を出す場合が多いらしいのだ。
名古屋をはじめ愛知県は有名『貯蓄県』だ。
はっきり言って財布の紐は堅い。
ただこれは単にケチということではなく結婚式などここぞという時に惜しみなく散財するある意味『本当のお金の使い方を知っている県』なのだ。
なのでこの名古屋でその業態がうまくいけば全国でも失敗する事はないというわけだ。
バブルが弾けた時、東京、大阪の会社は軒並み不動産に手を出していて痛い目にあっている。
下手をすると本業がうまくいっていたのに、不動産価値の下落により倒産に追い込まれた企業もあった。
ところが名古屋(愛知県)の会社で不動産に手をだして失敗した会社はかなり少なかったようだ。
本業に徹していたのだ。
ある中部圏の企業の方から「資本投下は不景気の時にする」と聞いた事がる。
景気が良い時は物価も土地もあがっている。
そんな時に投資しても意味がないとおっしゃっていた。
そう名古屋(愛知県)の企業は好景気の時はじっくり本業に徹して内部留保を増やして景気が下向いた時に一気に勝負に出る。
景気が周期的に変わっている事を熟知している様だ。
なんと堅実経営なことか?
そのうまい例えは「乾いたぞうきんを絞る」と言われるくらいだ。
名古屋(愛知県)にはそんな企業が集まっている。
トヨタ自動車をはじめ、アイシン精機、デンソー、カゴメ、日本ガイシなど優良企業のオンパレードだ。
JR東海は中央リニア新幹線の開業を2027年としている。
一説にはリニアが開通後に名古屋じたいがストロー効果で東京に吸われてしまうという話もある。
実際、名古屋は完全に東京の通勤圏に変わる。
その時この名古屋商人の堅実経営が東京を吸うかは見ものになるのではないか?
名古屋商人は景気の動向に一喜一憂せずに今日もそろばんを弾いている。