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近江商人の三方よし

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「近江商人」なる言葉をご存じだろうか?

近江国(現在の滋賀県)出身の商人を総じてそう呼ばれている。

商才にたけており大坂商人、伊勢商人と並んで日本三大商人と言われる。

この言葉をしらなくても近江商人の系統を組む企業名をあげれば皆さん一度は聞いた事があるだろう。

大丸、高島屋(高島屋の名称は滋賀県の旧高島郡から命名)西武グループ、伊藤忠商事、丸紅、住友財閥、兼松、ヤンマー、東レ、ワコール、西川産業などあげればキリがない。

なかでも西武グループは有名で経営が厳しいなか大津店がまだ残っているのは西武創業の地からかもしれない。

ただし現在、経営権はセブン&iホールディングスに移っている。

最近でも船橋店を閉めているので今後については不明だ。

話を戻そう。

近江商人がビジネスを成功させている背景は何なのか?

それは行動哲学ともいえる「三方よし」という概念だ。

これは「売り手よし、買い手よし、世間よし」とするもので、自分だけではなく商売の相手の利益も考えたものだ。

さらには地域社会への貢献も忘れていないところが素晴らしい。

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多くの商人は「商売は安く仕入れて高く売れ」と教わってきている。

近江商人の発想は「利益分配」による商売の長期継続性を狙ったものだと思われる。

確かに以前の商売はメーカー(作り手)だけが儲かる時代、また流通だけが儲かる仕組みへと移行してきた背景がある。

現在の大手流通が苦しんでいるのも自分達だけの利益を考えているからではないだろうか?

この「近江商人の三方よし」を聞くと大岡越前守「三方一両損」を思いだしてしまう。

左官の金太郎が三両入った熊五郎の財布を拾ったので当人に届けるが熊五郎がその受け取りを拒否する。

奉行所でお裁きを受ける事となるが、大岡越前守の判断は自ら一両足して、二人に二両ずつを渡す。

三人が一両ずつ損したのだから丸くおさまったという話だ。

二者で解決しようとすると角が立つ。

第三者をいれると文殊の知恵も生まれるというところだろうか?

今後のビジネスもこの第三者が重要な気がする。

それはもちろん「近江商人の三方よし」にもリンクしてくる。

現在、巷ではシャッター通りが社会問題になっている。

苦戦が続く自営業者の方も自分達だけの利益ではなく多方面への利益分配を考えて商売してみたらどうだろうか?

そこに活路を見いだせるかもしれない。

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