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シニアのための現代用語備忘録

政治・経済

熟戦力から見える日本の労働力減少

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リクルートが発表した2018年のトレンドキーワードに「熟戦力」がある。

これほど意図が読みやすい言葉もないと思う。

要は我われシニアの培ってきた技術や知識を再び労働に生かして引き続き働いてくださいというところだろう。

人間は社会から疎外される事を嫌う生き物だから、シニア世代になっても少しでも仕事に接していたいものだ。

もちろんそれに見合った収入が得られればそれにこした事はない。

まあ会社を辞めたからといって翌日からテレビを見ながらお茶を飲むというのもさみしい限りだ。

ましてや今どきの60歳は見た目も体も若い。自分もいけるところまでは働きたいと思っている。

しかしここにきて、巷の人手不足が甚だしい。

コンビニエンスストアの深夜はアルバイトが集まらずオーナーが身を粉にして深夜番をしたり、大手ファミリーチェーンでさえ深夜営業を中止し始めている。

いくら日本の人口が減っているからとはいえ、あまりにも極端ではないか?

昨今話題になっているAIの導入から仕事が減るとまで言われているのに、極端に労働力が足らなくなっている背景の裏側には、非正規雇用労働の増加がある。

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正規雇用の指標となる有効求人倍率は2月に0.01ポイント低い1.58倍で5.5ヶ月ぶりに低下した。

政府の主導する賃上げアップに物価が上昇し、大手はまだしも中小零細企業にいたってはそこまで売上も利益も確保できていない状態だから、人件費に資金をまわせない状態に陥っているのだ。

そうなると固定費のかかる正規雇用社員よりは必要な時に必要な人員だけを派遣してくれる非正規労働者のほうが使い勝手が良くなるというわけだ。

要はこの「熟戦略」なるトレンドキーワードは不足する非正規雇用労働力を確保するために、リタイアしたシニア層に参入してもらいたいという事なのだ。

非正規の派遣業務にどこまで過去の技術や知識が生かせるかは疑問だ。

もちろん非正規の派遣業務にもかなりの専門性を要求されるものもあると思う。

がそのほとんどが低単価の単純労働だ。そこには過去の栄光も名誉もクリエイティブ感もなにもない。

もちろんそれでも収入を得たいという人もいだろう。

ただリタイアしてまで搾取されるというのもどうかと思うのは自分だけか?

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