この対語としてのその他の通貨は「ソフトカレンシー」とか「ローカルカレンシー」と呼ばれている。さてこのハードカレン
シーをいくつ言えることができるだろうか?
一般的にはアメリカの「アメリカドル」、ユーロ圏の「ユーロ」、日本の「円」、イギリスの「ポンド」あたりが出てくるのだが、実はこの他にもスイスの「スイスフラン」、カナダの「カナダドル」、オーストラリアの「オーストラリアドル」、また最近などでは中国の「元」なども含まれている。
ただハードカレンシーの分類の基準が曖昧なため、あくまでもこのリストは一般的な概念だ。
でもハードカレンシーには最低限の条件がある。
「国際的な信用力」「発行国が多様な財を産みだしている」「国際的な銀行取引が可能」「どこでも換金が可能」という事を前提
に考えれば、確かに何でも良いというわけにはいかない。
国際通貨基金(IMF)が発表した2015年6月末時点での世界の外貨準備に占める各通貨の割合は、アメリカドルが63.8%、ユーロが20.5%、ポンドが4.7%、日本円が3.8%、カナダドルとオーストラリアドルが各1.9%となっている。
その安定性から為替取引では人気の日本円も国際的な流通量はとてもドルには及ばない。
ただユーロを流通させている国の数から考えても日本単独の「円」はたいしたものだと思う。
これがハードカレンシーの信頼性の高さの象徴だ。
ところで最近の新興勢力といえば中国の「元」だ。
そもそも一党独裁制の社会主義国家の通貨に信用があるのかという事だ。
日本を抜いて世界第二に踊りでた中国のGDPは日本のおよそ2倍強の11兆2000億ドルだ。
もちろんあの爆買いを見ればまんざらでもなさそうだが、各地域からあがって来る数字が盛られているのは、かなり以前から噂されていたことだ。
一説には日本とほぼ同じもしくは以下との推測も出ている。
また中国国内に蔓延る「元の偽札」には中国当局も相当、頭を痛めているらしい。
何しろ銀行のATMから偽札がでてくるのだから、始末が悪い。
これは銀行側に文句を言っても取り入ってもらえず、トランプで言うところのババを引いたことになる。
昨今の中国での電子決済の発達は実はこの通貨に関する不信から成長した様だ。
果たしてこれが国際通貨といえるのだろうか?