自分は幼い頃からの湘南海岸の近くに住む事が夢だった。
たぶんにこのような願望が生まれたのは「俺たちの朝」というドラマの影響だろう。
日本テレビの「俺たちシリーズ」の一つで勝野洋、小倉一郎、長谷直美がメインキャストだった。
ちなみに日本テレビ「俺たちシリーズ」とは中村雅俊主演の「俺たちの旅」、「俺たちの祭」そして「俺たちの朝」の三部作となっている。
順番は「俺たちの旅」、「俺たちの朝」、「俺たちの祭」で放送されている。
俺たちの朝の舞台は湘南でも人気の鎌倉だ。
江ノ島電鉄の極楽寺駅周辺をメインに湘南の風景が描写されていた。
湘南は横浜や東京に近いという事もあり田舎の海とは一線を画していたと思う。
このドラマを見て湘南の暮らしにあこがれた人は多かったのではないだろうか？
でも現実的な湘南の暮らしはそんなに甘いものではないようだ。
というよりも日本全国津々浦々、海岸線の近くで暮らしている人々は日々「塩害」に悩まされている。
自動車や自転車などは内陸部に比べても錆びるのが速い。
もちろん住宅も例外では無い。
外に露出している金属部分やエアコンの室外機などはまともにその影響を受けることになる。
海のそばで暮らすという事は塩害と生涯、向き合っていく必要がある。
単なる海に対するあこがれだけで移住すると後々痛い目に遭う事になるだろう。
ところでこの「塩害」なる言葉が気になる。
塩害は英語と何と訳されているのだろうか？
塩害は英語で「Salt damage」となる。
直訳すると「塩の損害」と少々日本語よりはハードに感じる。
ただ鉄道の架線に塩が付着してトラブルを起こす。
野菜に塩が付着して変色をおこしてしまうなど「害」よりも「損害」と呼ぶ方が相応しいかもしれない。
古今東西を問わず人間は塩の恩恵と損害を享受してきたのだ。
ところで最近の台風では内陸部で塩害の報告されている。
台風で巻き上げられた海水が内陸部まで飛ばされて来ているのだ。
こうなると塩害は海に面した地域だけの問題ではなくなって来ている。
周囲を海に囲まれている日本。
日本に住んでいるデメリットは多数存在する。
それでも日本人は塩害をはじめ地震や台風などの自然災害とと向き合ってきた。
それはやはり日本という国が好きだからだと思う。
こんな素晴らしい国は世界中に無いからだ。