通常の生活ではその有難味を感じることもない。
ところが一旦その必要性に迫られると何がなんでも必要になる。
まさに老眼鏡ほど面倒で煩わしくてそして有り難い味のあるものはないだろう。
そう老眼鏡は空気のようなものだ。
自分はシニア世代になって老眼鏡がないと困るものが二つできた。
もちろん他にもたくさんあるがとにかく日常的に困るのが時刻表と新聞だ。
時刻表は鉄道が好きな人にとってバイブルのようなものだ。
時刻表を読みたいと思った時に老眼鏡が手元に無い事は非常にストレスになる。
余談になるがそもそも、鉄道に興味のない人には「時刻表を読む」という概念すらないだろう。
そう時刻表は読むものではなくて調べるものだからだ。
でも時刻表の好きな人は「〇〇駅を何時に発車して△△駅に何時に到着した。途中の□□駅では何分かの運転停車のしたのかもしれないと」というように明らかに時刻表を読んでいるのだ。
さて話を戻そう。
自分は特に時刻表と新聞を読む時に近くに老眼鏡がない事がストレスになっている。
ところが出かける際に一番忘れてしまうもこの老眼鏡だから厄介だ。
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本屋さんの前を通ると「ダイヤ改正」の文字が飛び込んでくる。
そうダイヤ改正の時刻表が発売されているのだ。
鉄道に興味がない方には理解出来ないと思うが鉄道ファンはこのダイヤ改正という文字に非常に弱い。
本屋さんに入って障りだけでも見て見ようとバッグの中を探る。
またしても老眼鏡を忘れている事に愕然とする。
こんな時は絶望に近い気持ちに苛まれる。
空気のように老眼鏡の有難みを感じる瞬間だ。
女性の方で首から眼鏡ホルダーに付けて老眼鏡を絶えず身につけている方がいる。
どこかファッショナブルだ。
これは使えると思い自分もホルダーを購入して老眼鏡を胸元にぶら下げてみた。
ところがこれが思った以上に煩わしい。
たえず胸元のスペースが気になるのだ。
結局、眼鏡ホルダーも三日で外してしまう事になった。
指輪と同じで馴れないものは身に馴染まない。
要は体が拒絶反応を起こしてしまうのだろう。
ということで今日も相変わらず老眼鏡を忘れて出かけている。
無くなった時にその必要性を実感できる。
老眼鏡とはまさに空気のような存在だ。