公正取引委員会が昨年夏からコンビニエンスストア本部とフランチャイズチェーン加盟店の取引の実態調査を開始した。
このところ問題になっている人手不足を鑑みて従来のフランチャイズ契約が妥当かどうかを検証している。
要は立場が強いフランチャイズ本部が立場が極端に弱い加盟店に不利益な契約を強要していないかを調べているわけだ。
公正取引委員会には伝家の宝刀である「独占禁止法」がある。
今やブラック企業の代表にようになってしまったコンビニエンスストア本部も戦々恐々だろう。
そもそもコンビニのフランチャイズ契約とはコンビニエンスストア本部が暖簾(ブランド力のある看板)を貸す代わりに加盟店から高額なチャージを得ている図式がある。
あくまでも単純計算だが売価から仕入れ金額を引いた粗利のおよそ半分はコンビニエンスストア本部に行く計算だ。
それも毎日、本部に売り上げ金額を送金することが条件になっている。
例えばコンビニ業界トップと言われるセブンイレブンの平均日販が約66.6万円と言われている。
ちなみにファミリーマートが53.4万円、ローソンが53.7万となっている。(2019年2月期)
一日あたりの平均日販を10万の差をつけるあたりセブンイレブンの強さでもある。
さてかなりザクッとした計算だが仮に平均粗利を25%だとしよう。
66.6万の売り上げの場合、66.6万円X0.25÷2=8.3万円となる。
毎日オーナーとアルバイトが必死になって稼いだ粗利16.6万円のうち半分がコンビニ本部に行く計算だ。
これを高いとみるか安い見るかはなかなか難しいところだろう。
ただポイントはそこではなくセブンイレブン本部のキャッシュフローだ。
セブンイレブンは2020年2月末現在で日本国内に20,955店舗が存在している。
平均日販66.6万円X20,955店舗≒140億円が毎日、日本全国の加盟店から本部に入金していることになる。
本部は実質的な小売商売をしていないのに毎日140億円の日銭が入っていることになる。
経営的には理想的なシステムとも言える。
そう考えると加盟店に24時間経営を強制するコンビニエンスビジネスも酷い話に見えてくる。
この奴隷的な契約を公正取引委員会がどう判断するか?
そもそもコンビニの24時間営業は必要なのか?
その基本的な位置に立ち戻る必要があるのではないか?
公正取引委員会には頑張って欲しいものだ。