北海道新幹線が北海道南部の「新函館北斗駅」まで開業して今月26日で丸4年が経つ事になる。
開業特需も終わり現在は初年度に比べて乗車率が25%にまで落ち込んでいる。
25%という事は3/4は空いている状態。
つまりほぼ空気を運んでいる状態という事だ。
毎年100億円の赤字を生んでいると言われる北海道新幹線。
札幌駅までの全線開業をすれば明るい未来が待っているとは到底思えない。
北海道胆振東部地震騒動もやっと沈静化したと思ったら新型コロナウイルス騒動と北海道を取り巻く環境で良いものが見当たらない。
また俗にいう「4時間の壁」を函館北斗駅で僅かながら切った事を公表していた。
これで好転すると思っているとしたらJR北海道の関係者は相当の楽天家だろう。
東京-札幌間とほぼ同距離(およそ1200km)にある福岡市の博多駅。
この駅には東京駅からのぞみがおよそ30往復設定されている。
空路の羽田-福岡線は羽田-千歳線と並ぶドル箱路線と言われている。
就航数が多い航空路線と30本ののぞみが共存できるところに福岡市の強さがある。
果たしてこれが札幌駅にできるか?
それは誰が見ても無理だ。
その理由は東海道・山陽新幹線の中間にある大都市が多さだ。
名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、広島市など政令指定都市。
そしてその他にも浜松市、福山市、周南市(徳山駅)など工業都市も集中している。
東京駅から博多駅までのぞみで向かう人はかなり限定される。
しかし途中駅から乗車する人の数がこのダイヤを成立させているというわけだ。
それでは北海道新幹線が東京駅から札幌駅まで全線開通した場合の中間の都市はいったいいくつあるだろうか?
政令指定都市はさいたま市と仙台市のみ。
政令指定都市ではないが残りの街の中で比較的大きいとされる宇都宮駅に至っては最速タイプのはやぶさが通過している状態だ。
ここに北海道新幹線の未来が見えてくる。
「4時間の壁」を意識するのも良いが、新幹線が点と点の移動の発想で走らせるなら飛行機には絶対に勝てるわけがない。
東海道・山陽新幹線のように途中駅から乗降客を拾う発想がないと北海道新幹線の未来は厳しいものになる。
また行きは新幹線で帰りは飛行機など共存をはかる模索をした方が良いのではないだろうか?
このまま行くと北海道新幹線が札幌駅まで全線開通しても東京駅発札幌駅行きの最速タイプが一時間に一本走らないかもしれない。