2020年はそごう西武の閉店ラッシュになりそうだ。
我々シニア世代にはなじみの深い百貨店だけに寂しいものがある。
2020年の8月までにそごう西武の閉店が予定されている店舗は
西武岡崎店(売上高84億円)
西武大津店(売上高99億円)
そごう西神店(売上高110億円)
そごう徳島店(売上高128億円)
となっている。
また2021年には下記の店舗の閉店が予定されている。
西武秋田店(売上高93億円)の「ザ・ガーデン自由が丘・西武」のみ
西武福井店(売上高115億円)
そごう川口店(売上高159億円)
これによりそごう西武全店の売上は現状の1/4程度になる見込みだ。
ここまで大鉈を振れたのはそごう西武がセブン&アイ・ホールディングスの傘下にあるからだろう。
そごうは天保元年(1830年)に十合伊兵衛が大阪で開業した「大和屋」が始まりとされている。
また西武百貨店は1928年に今回、閉店が予定されている西武福井店の前身である「だるま屋」からスタートして店舗網を拡大してきた。
特に近江商人の流れをくむ西武百貨店にしてみれば滋賀県の大津店や創業の地である西武福井店の閉店は断腸の思いだと思う。
しかしそなん事はセブン&アイ・ホールディングスには関係の無い話だ。
ここは容赦なくスクラップを選んだというわけだ。
流通業はどこも厳しいのが現実だ。
百貨店の閉鎖は今後も続くのではないだろうか?
ちなみに来年以降の上記店舗を閉鎖後に残るそごう西武の店舗はそごう横浜店、そごう千葉店、そごう広島店、そごう大宮店、西武池袋本店、西武渋谷店、西武所沢店、西武秋田店、西武東戸塚店のみとなる。
残った店舗は売上が期待できる都市型店舗だ。
ただ地方都市の秋田店については今後も苦戦が予想される。
百貨店の商圏人口は50万人と言われているが、昨今の状況を考えると100万人でも足らない様に思えてくる。
百貨店を日常的に利用できる富裕層は商圏人口の数パーセントだ。
結果として大都市もしくは大都市近郊でしか成り立たないビジネスになっているのだ。
昔はお使い物といえば三越かバラのマーク高島屋の包装紙という認識だった。
果たして現代の若者にこのニュアンスが伝わるだろうか?
これは高齢の富裕層世代ばかりにマーケティングをしてきた百貨店側の功罪かもしれない。
これを今からひっくり返すのは相当な費用と時間がかかるだろう。
そごう西武の閉店は時代の必然だったのかもしれない。