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商売の2対8の法則

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昔、勤め先の近くにあった「立ち食いそば屋」が好きだった。

自分好みの美味しい天ぷらネタがあったからだ。

 

ところがある日を契機にその店に行くのをピタっと止めてしまった。

それは店内で起きたある出来事を目撃した事に由来する。

 

この店ではそばと代金の引換が条件になっている。

立ち食いそばでは良くありがちなシステムだ。

 

100均は本当にお得なのか?

 

カウンターの右手にいた男性が差出した硬貨がなんと差し出されたそばに落ちてしまったのだ。

まわりにいた客も一斉に注目した。

 

さすがに店側は中身を交換するだろうと思ってみていると、店の女性店主はなんとそばに指を入れて硬貨を取り出して済まそうとしたのだ。

さすがに客もこれは「汚い」と言ってそばの交換を要求した。

 

自分はこの後どうするのかと思って観察しているとその女性店主は予想外の行動をした。

そばに乗っていた天ぷらを一旦よけてスープは捨てた。

 

しかし麺は再度湯の中にいれて湯切りをして元のどんぶりに戻したのだ。

そして先ほどの天ぷらはそのままそばの上に戻された。

 

この女性店主にしてみたら完璧なリカバリーだったのだろう。

面倒くさそうに「これで大丈夫」と言ってその客に戻した。

 

自分を含め店内にいた4~5人の客が呆れながらこの様子を見ていた。

 

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このソバの原価はせいぜい100円だろう。

その100円をケチったことにより、ここにいた数人の固定客を失う事になる事にこの女性店主は気づいていない。

 

この女性店主には「損して得をとる」という発想がない。

商売的に見たらこの女性店主の対応を支持する人がいるかもしれない。

 

でもその人は商売の「2:8の法則」を知らないのだ。

多くの商売に言えることだが「売上の8割は2割の常連がもたらす」とされているのがイタリアの経済学者パレードが提唱した「2:8の法則」だ。

 

だから常連の客の信頼を失う事は商売にとってタブーとなる。

案の定それから自分はその店に行くのを止めてしまった。

 

 

商売とは怖いものだ。

数年後にその店の前を通ったら閉店していた。

 

自分が店主だったらそのそばを捨てずに冷蔵庫にいれて新しいそばを作っただろう。

そして客がいなくなった時間に自分が昼食替わりに食べれば結果として無駄にならないだろう。

 

目先の売り上げしか見ていないから結果として大切な常連客を失ってしまう。

これから飲食業を始める方は商売の2対8の法則を肝に銘じておくと良いだろう。

 

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