今年、日本政府は「商業捕鯨」再開の目途がたたないので「IWC(国際捕鯨委員会)」を脱退した。
日本が国際機関から脱退するのはかなり異例の出来事だ。
当のIWCが一番驚いたのではないだろうか?
日本は調査捕鯨の末に数字の裏付けをとって「商業捕鯨」を提案してきた。
しかしブラジルで行われたIWCで「商業捕鯨」は反対多数で否決されたしまった。
IWCの加盟国89ヶ国中、反対が41、賛成27(残りは棄権)という結果だ。
そもそもIWCとは国際捕鯨取締条約に基づいて鯨資源の保護と捕鯨産業の秩序ある発展をはかることを目的として設立された。
しかし現在のIWCは鯨を取るか取らないか議論の争点になっており日本側の調査捕鯨の報告に耳を貸そうとしない状況だったのだ。
そのくせ負担金はアメリカに次ぐ金額を納めていた。
日本には割が合わない話なのだ。
日本が抜けた事による各国の負担金増だけとってもIWC脱退の影響が出ているのかもしれない。
IWCはノルウェー、イギリス、日本、ソ連、オランダ、デンマーク、オーストラリア、アメリカ、カナダなど十数ヶ国の加盟国から始まっている。
その後「反捕鯨国」が勢力拡大のために海の無い内陸国も加盟に持ち込んで現在の体制に至っている。
捕鯨を支持している国は日本、カンボジア、モンゴル、ラオス、ロシア、韓国、エリトリア、ガーナ、ガボン、カメルーン、ガンビア、ギニア、ギニアビサウ、コートジボワール、コンゴ民主共和国、セネガル、タンザニア、トーゴ、ベナン、マリ、モーリタニア、モロッコ、ツバル、パラオ、キリバス、ナウル、マーシャル諸島、アンティグア・バーブーダ、グレナダ、セントヴィンセント・グレナディーン、セントクリストファー・ネイビス、セントルシ、スリナムだ。
正直言って海の無い国にとってはどうでも良い話なのだ。
反対している国のほとんどが肉食が主体の国だ。
鯨を食文化として見ていないのだ。
ただ日本側にもIWC脱退の影響が有りそうだ。
日本は近海の「排他的経済水域で」で捕鯨を予定しているが環境保護団体は妨害行為を継続する事を示唆している。
また来年に迫った東京オリンピックや大阪万博など日本では国際イベントが今後続く。
ボイコットまでのは話は出ていないようだが警戒は必要だろう。
そしてもっとも危惧する事。
それは鯨の食文化が復活できるかという事だ。
いくら鯨を採っても商品として売れなかったら元も子もない。
特に我々シニア世代が子供の頃に食べたあの竜田揚げを思いだして積極的に食べるべきではないだろうか?
それが鯨にとっての供養でもある。