年の瀬が近づいていた。
毎年の事だが不要なものを片づけようと重い腰をあげたが作業が進まない。
というのもすぐ手が止まるからだ。
捨てるか捨てないかの判断に困るものがちょこちょこでてくるのだ。
そこで思いだすのが昔、取引先の方に言われた言葉だ。
「去年一年間で使わなかった物は来年一年間も使わない」という。
確かに企業における経理上の帳簿類は一定期間の保存義務がある。
でもその他の資料は去年一年間に一度も使用していなければ来年使用する確率は相当低くなる。
またこんな言葉も思いだす。
「捨てるか捨てないかを悩んだら捨てろ」というものだ。
つまり本当に必要なものは悩まないというのだ。
確かに一利ある考え方だ。
そんな事が頭の中を錯綜しながらも分別作業はいっこうに終わらない。
そもそも捨てる決断ができるのはひとつの特技ではないだろうか?
「断捨離」という言葉を聞いたことがあるだろう。
「断捨離」とは「不要な物を減らして日々の生活に調和をもたらす思想」の事だ。
ヨガの行法である「断行(だんぎょう)」、「捨行(しゃぎょう)」、「離行(りぎょう)」がその概念が「断捨離」の基本にあ
る。
簡単にいえば「入ってくるものを断つ」また「不要なものは捨てる」そして「物欲から離れる」というものだ。
現代社会における物欲に対するアンチテーゼでもある。
そう自分は究極的には断捨離がしたいのだ。
現代の生活は物欲との戦いでもある。
人間は物がある事で安心して快適に暮らせる。
でもその物が多くの人の負担になっていないだろうか?
よくテレビで話題になる「ゴミ屋敷」などはその典型だ。
ゴミ屋敷の主はそのゴミの価値観がわからなくなっている。
彼にとってゴミは持っていることに価値があるのだろう。
そこまでいかないにしても営業のダイレクトメールさえも捨てることができない人がいる。
いつか役にたつ時が来るだろうと思いこんでいるのだ。
そんな方々はこの「断捨離」を実践すべきだと思う。
それでも捨てらないものが出てくる。
例えば年賀状や子供が幼かった頃の思い出の品などだ。
そこで利用したいのがスキャナだ。
スキャナで読み取ってデジタル保存する。
これならUSBの中に大量に保管する事ができる。
いざとなれば呼び出す事もできる。
でも将来においてこのデータを呼び出す確率はかなり低いだろう。
人間は思っている以上に過去に執着していない。
そんな事を考えながら不要をものを片付けている。
これはとても本日中に終わりそうもない。
来年こそ断捨離がしたいと思う。