ご当地ナンバーとは国交省が自動車のナンバープレートに表示する地名を対象市町村の区域に限り、独自の地名を定められるようにした制度だ。
2006年10月10日以降、新たな地名のナンバープレートが出現している。
最近では「2020東京オリンピック特別仕様ナンバープレート」も加わりいろいろナンバープレートを目にするようになった。
現在ではご当地ナンバーは29ヶ所にも及ぶ。
そのご当地ナンバーをあげてみよう。
後ろのカッコ内は本来の陸運局の所在地である。
仙台(宮城)
会津(福島)
郡山(福島)
盛岡(岩手)
平泉(岩手)
那須(宇都宮)
高崎(群馬)
前橋(群馬)
成田(千葉)
柏(野田)
川越(所沢)
川口(大宮)
越谷(春日部)
杉並(練馬)
世田谷(品川)
つくば(土浦)
諏訪(松本)
金沢(石川)
岡崎(三河)
豊田(三河)
一宮(尾張小牧)
春日井(尾張小牧)
伊豆(沼津)
富士山(沼津、山梨)
鈴鹿(三重)
堺(和泉)
倉敷(岡山)
下関(山口)
奄美(鹿児島)
以上が現在登録されている29ヶ所の「ご当地ナンバー」だ。
ひとつひとつ見ていくとその地域の事情が見えてくる。
福島県の「郡山ナンバー」は非常に納得のいくところだ。
福島市は福島県の県庁所在地ながらその立ち位置は非常に厳しいものがある。
人口はいわき市、郡山市についで県内三番目。
県央で交通の要所でもある郡山市に対して福島市はかなり県の北側に位置している。
郡山市民が「郡山ナンバー」を求めるのも納得の行くところだ。
同じように千葉県の「柏ナンバー」も納得の行くところだ。
東葛地区の陸運局は何故か野田市に作られた。
醤油の町として一世を風靡した野田市も現在は柏市の商圏に組み込まれてしまった。
他の記事でも触れているが東葛地区には松戸市や柏市など40万超えの都市が多いなか、なぜ野田に陸運局が誘致されたのか多くの千葉県民が疑問に思っているだろう。
だから「柏ナンバー」ができたのもわかる気がする。
「高崎ナンバー」と「前橋ナンバー」も非常に理解ができる。
群馬県内で隣接するこの二つの街は非常に仲が悪い。
もともと群馬県の県庁は明治4年まで高崎市にあったが、軍事上の関係で前橋市に移転した背景がある。
現在では経済力も人口も完全に高崎市が上位にある。
この二つの街が合併すれば政令指定都市になれるのだが非常に残念な話だ。
「富士山ナンバー」は静岡県と山梨県にまたがる広域のナンバーになっている。
富士山という日本人の拠り所であり縁起の良さそうなナンバーでもある。
そもそも陸運局の誘致じたいかなりの政治力が必要だ。
ご当地ナンバーとは地域の覇権争いにも見える。
ただ郷土愛を刺激するにはもってこいの取り組みなのかもしれない。