このところ外国人観光客に人気なのが「四国八十八箇所(しこくはちじゅうはっかしょ)」のお遍路だ。
「四国八十八箇所」とは空海(弘法大師)にゆかりがある寺院の事を巡礼することにより、開運、縁結びなどの願いごとが叶うと言われている。
札所は徳島県の鳴門市から始まり時計まわりで四国を一周する形になっている。
一番から二十三番までは徳島県であり阿波国の霊場は「発心の道場」と言われている。
二十四番から三十九番は高知県であり土佐国の霊場は「修行の道場」。
四十番から六十五番は愛媛県であり伊予国の霊場は「菩提の道場」。
最後に六十六番から八十八番は香川県であり讃岐国の霊場は「涅槃の道場」と言われている。
ちなみに香川県側の霊場から逆回りにまわっても問題はない。
これを「逆打ち」という。
また一回の巡礼ですべてをまわる必要性もない。
何回かにわけてまわる事を「区切り打ち」という。
このお遍路の距離はどのくらいあるのか?
八十八箇所を通し打ちでまわった場合の全長はおよそ1100~1400kmあると言われている。
仮に一周を1200kmで計算すると一日徒歩で30km歩いても40日かかる計算になる。
最近はどうも徒歩よりバスなどのパッケージツアーなどのほうが人気の様である。
鉄道好きな自分としてはつい「青春18切符」と絡めてまわってみたくなる。
この「青春18切符」は緩行電車、快速電車に乗り放題のお得な切符だ。
「青春」という言葉が入っているがもちろん我々シニア世代も利用できる。
四国という広域な地域を安くまわる旅にはもってこいの切符だが少々問題がある。
まずJR四国管轄内は運転本数が期待できない。
ちなみに香川県の県庁所在地で四国の鉄道の要衝である高松駅の時刻表を見てみる。
高松市と徳島市を結ぶ高徳線の朝の7時台でも特急1本と緩行電車2本のみだ。
比較的都市圏と思われる高松駅でさえこの状況だから四国全体での移動のイメージが湧いてくる。
また霊場と言われる所には「山号(さんごう)」がついている。
「山号」がついているからといって決して山奥ではないと思うが、概ね駅からは近くないことだけは想像ができる。
そうなると駅から毎回タクシーになりかねない。
八十八箇所を駅からタクシーで移動していたら格安旅が売りの「青春18切符」を使っている価値が無くなってしまう。
お遍路の距離は決して短くない。
運転に自信のある方はレンタカーを。
ゆったり移動したい方あバスツアーを選択される方が良いだろう。