今朝もテレビを見ていると地方都市の風景には似合わないタワマンが映っていた。
タワマンとはもちろんタワーマンションの事だ。
最近では新幹線に乗っているとちょっとした地方都市の駅前にも「タワマン」が聳え立っている。
「タワマン」の定義というのはないのだが概ね「58mの高さを超える集合住宅」を表わしている。
東京などの大都市の一等地にある「タワマン」が多かったが最近では地方都市で駅前に作られる場合が増えたようだ。
その街のランドマークになっておりやはり高層階から売れているらしい。
ただこの「タワマン」なるものは良い事ばかりではなく、かなりの問題が潜んでいるようだ。
タワマンのデメリットとは何だろうか?
日本で始めた作られた埼玉県の「タワマン」がまもなく築20年を迎えようとしている。
マンションに住んでいる方ならご存知だと思うが、マンションは15年に一回程度「大規模修繕」が必要となる。
紫外線や風雨による外装の劣化を修復をして、また給排水設備などのメンテナンスなどがメインにある。
通常はマンション居住者の代表である理事会などがこの「大規模修繕」のために「修繕積立金」を管理している。
ただマンション販売会社がマンション購入の際にその「大規模修繕」に関わる費用がどの程度になるかを入居者に説明していたかは非常に疑問だ。
「タワマン」の「大規模修繕」はその高さがネックになり費用が非常に高額になるといわれている。
一説には一般的な低層階マンションの二倍以上とも言われている。
なぜそんなに高額になるのか?
それは高層階ゆえに作業用の足場が組めないことにある。
そのため「リフトクライマー」なる「移動昇降式足場」を使用することなどが高額な費用の一因となっている。
比較的富裕層が住むイメージのある「タワマン」だが一般のマンションと同様に大規模修繕の積立金は入居者全員により支払う事が前提に計画されている。
もしその高額な積立金が払えずに支払が滞る世帯が増えたらどうなるだろうか?
また鉄筋コンクリート製のマンションの法定耐用年数は47年となっている。
これは若い頃に購入した居住者が存命の間に対峙するであろう大問題だ。
建て直すにしても壊すにしても、はたまた移動するにしても莫大な費用が必要になる。
都心部の一等地のマンションなら地面の価格でカバーできるかもしれない。
それでは地方都市の地面の価格でそれをカバーできるだろうか?
地方都市のタワマンの所有者は時限爆弾を抱えているようなものなのだ。