先日、公正取引委員会がコンビニの24時間営業問題で興味深い判断を下したのは記憶に新しい。
オーナー側が24時間営業の変更を申しでた場合は、コンビニ本部がこれを拒否する事は独占禁止法に抵触するというものだ。
これにはオーナー側も喜んだ事だろう。
コンビニ本部側は青ざめたと思う。
コンビニの利便性の際たるサービスである24時間営業を法律的に否定されてしまったからだ。
さてもうひとつ気になるニュースが飛び込んできた。
賞味期限間近の商品の値引き販売を頑なくに拒否してきたセブンがここに来て容認する方向に動いている。
ただその内容を見て呆れてしまった。
値引き率は10%でそれもポイント還元。
近隣のスーパーに夕方6時頃行ってみてほしい。
生鮮や惣菜のパックには値引きシールだらけだ。
その値引き率は20%、30%どころか50%引きさえある。
要は売れ残って廃棄するぐらいなら半値でも良いから現金化するのが商売の王道だからだ。
ところがセブンが打ち出したのは「ポイント還元の10%」のみ。
いったいこれでどれだけの効果が期待できるのだろうか?
セブンが値引きを頑なに拒絶する理由は簡単だ。
単純に本部の収入であるチャージが減るからだ。
コンビニの契約はうまくできている。
粗利(売上額-仕入額)のおよそ半分程度がチャージの目安となる。
値引きを乱用するとこのチャージが減るというわけだ。
それでは値引き額が少額で客がそのメリットを感じずに購入しなかった場合は商品は「廃棄」となる。
この廃棄はオーナー側の負担でコンビニ本部には実質的な損害が無いのだ。
すべてが自社店舗だったら一般的なスーパーと同じように20%、30%、50%と値引き対応をするだろう。
そもそも今回の対応についても冷静に考えると独占禁止法に抵触しないだろうか?
オーナーは本部との契約があるにしても独立した経営者である。
独占禁止法ではメーカー側が再販価格に関与してはいけない事になっている。
極端な話「客寄せ」用として仕入価格以下の赤字で販売しても問題はないのだ。
つまりコンビニのオーナーも値引き額はオーナーの自由という事になる。
公正取引委員会はこの値引き率についても早めにメスをいれるべきだと思う。
また昨年末に騒いでいた「恵方巻き」の過剰仕入についてもそろそろ声をあげていかないといけない。
各メーカーが材料の準備に動きだしたらまた止められないからだ。
コンビニ本部が各オーナーに過剰仕入を要請するなら廃棄分はコンビニ本部が持つべき。
そうしたら一気に解決する問題だ。