ここにきてコンビニの24時間営業問題に関して公正取引委員会がドラスティックな判断を下した。
フランチャイズに加盟しているオーナーが24時間営業の変更を求めた場合、本部が拒否してた場合には独占禁止法に抵触するというものだ。
これにはコンビニ本部の上層部も青ざめたに違いない。
利便性が売りだったコンビニの根幹を法律的に否定されてしまった事になるからだ。
そもそもここに来てこの24時間問題がここまで表面化しているのはある問題があるからだ。
それはコンビニの「ドミナント戦略」だ。
「ドミナント戦略」とは「高密度集中出店方式」のことで特にセブンイレブンが開業当時からこだわっている出店戦略だ。
街中でセブンイレブンを一軒見たら周囲に必ず数軒あると言われている。
コンビニは商圏が非常に狭い。
一般的に商圏人口は3,000人と言われており店舗の半径500mのエリア内でしかない。
こんなコンビニがパラパラとあると配送などの効率が非常に悪い。
そこで「ドミナント戦略」では商圏がバッティングしない地域に可能な限り同チェーンの店舗を埋めようとするわけだ。
ところが今となってはコンビニが日本市場での飽和点を超えている。
先ほど触れたようにコンビニ一店舗あたりの商圏人口は3,000人とされている。
単純計算で日本の総人口およそ一億2,000万人を3,000人で割ると40,000万店になる。
日本国内の人口規模におけるコンビニの適正数量は4万軒となるのだ。
ところが現在のコンビニ大手4社の店舗数がいくつあるのか?
業界をリードするセブンイレブンが2019年2月末現在で20,876店舗。
ファミリーマートが2019年2月末現在で24,081店舗。
ローソンが2019年2月末現在で13,992店舗。
そしてミニストップが2,239店舗となっている。
コンビニ大手4社の店舗数の総数が61,188店舗にもなっているのだ。
つまり新規の出店の余地はないのだ。
結局既存店がひしめき合う市場に新店を割り込ませることになる。
こうなると客の奪い合い、アルバイトの奪い合いが始まる。
それも同じチェーン同志でだ。
人口減少が始まっている現在、この過当競争に何の意味があるのだろうか?
公正取引委員会はしかるべきタイミングで英断を下したと思う。
むしろ今まで労使関係のない中、我慢して経営を続けてきたオーナー達の利益を守ってあげることが一番大切なことだと思う。