先日、地元の商店街を久しぶりに行って驚いた。
まさにシャッター通りになっているのだ。
実をいうと自分の地元は東京都心部から鉄道で40分ほどの所にある。
都会とはいわないが田舎と言われるほどのところではない。
知らない間にここまでシャッター通りの余波が押し寄せていたらしい。
でも地元の街にもそこそこの人口がいる。
それではその客はどこに行ったのか?
その答えは郊外の国道のバイパスに行けばすぐわかる。
旧国道を並行する郊外のバイパス沿線には大手チェーン店が軒を連ねている。
どこも大型の駐車場を併設しているので客の利便性は申し分ない。
これではせまい旧道の沿線に出来た昔ながらの商店街では勝てるわけがない。
そもそも駐車場がない店にはマイカーの客は期待できないというわけだ。
でもこの現象はこの街に限った事ではないだろう。
今、日本全国で起きている問題だ。
ちなみにシャッター通りの問題は地方に限った問題ではない。
勝組みとされてきた東京都内で起き始めているからだ。
寂しい話だが時代の流れなのだろう。
抜本的は解決策は見当たらない。
つまり買い物先を選ぶのは消費者の自由だからだ。
こればっかりは国が地元の商店街で「買い物をしろ」と強制することも出来ない。
シャッター通りの復活は各自治体の急務なのだが正直お手上げ状態になっている。
「我が街の商店街は頑張っています!」と高らかに宣言される方もいるかもしれない。
ではその商店街に全国チェーンの店以外の個人店が何軒あるだろうか?
コンビニエンスストアにファーストフード店。
クリーニングチェーン店に持ち帰り弁当チェーン店。
全国チェーンの学習塾にレンタルショップなどを現代の商店街を構成するのは皆全国チェーン店だ。
個人の店は何軒も残らないのではないだろうか?
全国チェーンの店は本部がコント―ルしているので売上が伸びないと判断すれば即撤退という事になる。
だからあなたの地元の商店街がいつシャッター通りになってもおかしくない。
それでは郊外型の大手チェーン店が勝ち組かといえば実は違うのだ。
負け組とまでいわないが皆苦戦している。
例えばその良い例が大手家電量販店だ。
週末に店に行くと確かに客で溢れている。
でも売れているかといえばそうではなさそうだ。
客の目的は商品の購入ではなく希望する商品のスペックの確認だ。
客は大手家電量販店で重量や色の確認をしてネットでその商品の買い物をする。
「価格比較サイト」でその商品を底値で販売しているサイトが見つけることができるというわけだ。
こうなると大手家電量販店はただの「商品展示場」だ。
シャッター通りの商店街の敵は郊外型の大手チェーン店ではなくネット通販という事になりそうだ。