このところ鏡の前に立つ時間が長くなった。
鏡の前には女性が長居しがちだが、男性である自分の長居にはやむ得ない理由ががある。
まず髪の毛だ。
10年前から比べるとかなり減った感が否めない。
頭の上をずっと見たからと言って髪の毛が決して増えるわけもなくただ憂鬱が増えるだけの時間だ。
次に気になるのが同じく頭の上の髪の毛の白髪だ。
少なくなっている髪の毛も根元を探っていくと真っ白なのだ。
髪の毛が残る両サイドから襟あしにかかる部分が酷い事になっている。
こちらも気にしだすと終わりがないので、ある程度のところで白髪探しをやめてしまう。
視線を落とすと気になるのは髭や鼻毛に交じる白髪だ。
気が付けば知らない間に白髪が顔全体に繁殖している。
ちなみに下のほうもちらほら混じってきた。
髭は毎日剃ればさして目立たない。
鼻毛も毎日歯磨きの際に目立つものを処理していく。
男性の鏡の前の長時間の原因はほぼ「毛」に関するものだ。
しかしそこに更なる「毛」伏兵がいた。
実はそれは「眉毛の白髪」なのだ。
目が悪くなっているで近距離で鏡を見ていたのに気がつかなかった。
老眼鏡をかけて良く確認するとこれが結構でている。
目の真上の眉毛に立派な白髪が生えていたが気がつかないとはまさに「灯台もと暗し」だ。
白髪を染めたいと思うのは老けて見られたくないからだ。
立派な眉毛を伸ばしている方も多い。
でも自分は眉毛とはいえ白髪が生えるのはどうも嫌だ。
人間の体に生えている毛には目的があるという。
だからやみくもに毛を抜くような事はよくない。
だから自分は鼻毛用の小さなはさみでせっせと処理をする事になる。
老後は白髪と無駄毛との戦いなのだ。
白髪は「チロシン」というアミノ酸が老化により減少する事が原因と言われている。
このチロシンというアミノ酸は「大豆」、「カツオ」また「たらこ」、「チーズ」などに多く含まれているようだ。
酒飲みの自分には大好きな「酒の肴」が並んでいる様だ。
特に豆腐は大好きだ。
果たしてこの歳になってから食べて効果があるかは眉つばだが、白髪のためにも飲む理由ができた。
白髪は抜いてもキリがない。
いつまで続くかわからないが根気よくはさみで処理をしていくしかなさそうだ。
残りの人生、眉毛の白髪との長い戦いが待っている。