「グレージュ」という色がある。
何色なのかわかるだろうか?
この色の語源は「グレー(灰色)」と「ベージュ(薄い茶色)」だ。
美容室のヘアカラーの新色なのだが、落ち着きのあるグレーだがベージュにも見えるという色らしい。
フォーマルな場所にもカジュアルな場所にもマッチするオールマイティーな色合い。
この手のおしゃれな色の発信は概ねファッション関係からだ。
確かに近頃のシニア女性もいろいろな髪色が増えているようだ。
紫色に染めた女性をよく見かけるが個人の主張であり本人が納得しているのであれはそれは尊重するしかないだろう。
かくいう自分は主張をしようにもそのベースとなる髪の毛が枯れ始めているのでお手上げ状態だ。
ところで「色名」は時代と共に変化している。
自分達が子供の頃よりかなり変わっているのはご存じだろうか?
有名なところでは子供の頃人物を描くのに多用した「肌色」だ。
現在のクレヨンや絵の具に「肌色」は存在しない。
現在は「ペールオレンジ」と呼ばれている。
その原因は日本人から見る「肌の色」はベージュのような色だが、これが差別になるということで2000年あたりから文具メーカーが「肌色」を「ペールオレンジ」に差し替えている。
「pale」とは「淡い」を意味しており「淡いオレンジ色」の意味になる。
ところで出版、印刷、デザインの業界では色の統一性を持たせるために「色の規格」が必要にある。
そこで出来たのが「カラーガイド」なるものだ。
有名なところでは大日本インキの出版する「DICカラーガイド」がある。
他にアメリカのPantone社が出版する「Pantone(パントン)」も有名である。
出版、印刷、デザインの業界では「DICの〇〇番」とか「Pantoneの〇〇番」でやりとりをする事が一般的だ。
パソコンのプリンターのインクを見るととわかり易いと思うが、色は「CMYK」の4色で表現する事ができる。
「C」は「Cyan(シアン)ブルー」、「M」は「Magenta(マゼンタ)赤」、「Y」は「Yellow(イエロー)黄色」、「K」は「BlacK(ブラック)黒」を意味している。
カラーガイドのチッブ(色サンプル片)にはこの4色の配合比によって数値化されている。
商業印刷ではカタログの色や発色により売上に影響が出ると言われている。
デザイナーや印刷会社が必死になって色の管理をしているのだ。
例えば先ほどのグレージュにしても「ヘアカラー」を発売するメーカーはカタログやパッケージにかなり神経を使うことになる。
何故なら売っている物は「色」そのものだからだ。