終活のもっとも大きな仕事は不動産の処分ではないだろうか?
とはいえ生前に売却してしまうと住むところが無くなってしまう。
仮に賃貸を探してもご存じの通り、高齢者に「はいどうぞ」という大家はまずいないという。
大家にしてみれば大切な賃貸物件を「準事故物件」になって欲しくないというところだろう。
これに関しては大家の立場になると理解できるような気もする。
ただ今後人口が減り続けていく日本であまり入居者の入口を狭めていくのは得策とも思えない。
賃貸物件の事はさておきこのような状況で最近ででてきたのが「リースバック」というシステムだ。
簡単にいえば現在住んでいる家をリースバック業者に購入してもらい、後はその家に住みながら家賃を払っていくというものだ。
住む環境は変わらずにいられるというのは理想だ。
ただし長年住み続けてきた自宅の建物にはほぼ価値がないだろう。
要は地面に対する価格になる。
都心部の一戸建てならまだしも田舎の一戸建てでは評価はあまり期待できないと思う。
そう実はこのリースバックのリスクにその不動産の買い取り価格の安さがある。
下手をすると売却後10年で赤字に転落する可能性もあるのだ。
この場合の赤字というのは売却した金額が毎月の家賃の返済総額を下回る事を意味している。
老後は健康で長生きという方は多いと思うが長生きをすると持ち出しになってしまうという事だ。
またもうひとつのリースバックのリスクとして運営会社の倒産という問題がある。
リース契約している物件は債権者の手に渡る。
もちろん3年おきにかわす契約期間内であればすぐの移動は必要ないだろう。
ただその契約期間が過ぎれば事業を継承した企業の自由になるというわけだ。
「出て行ってくれ」と言われても文句を返すことも出来ないだろう。
なぜならその家はその企業のものだからだ。
自分もリースバックは終活に向いていると思い興味を持っていた。
しかしこのリスクを知ってから少々興味が失せてしまったところがある。
なおこのリースバックのリスクを理解の上で検討されたい方はあなたのお子さんにも確認をとる必要があるだろう。
お金の問題は残るがなるべく住宅の処分は次の世代に任せたほうが良いような気がする。
死ぬまで我が家に住むというのは良い選択だと思う。