先日のテレビ番組で北九州市の市議会議員の「海外視察」の実態が暴露されるという事があった。
たまたま自分も見ていたが「海外視察」とは名ばかりでまさに「物見遊山」の旅としか言えないものだった。
この「海外視察」に出かけたのは北九州市議会の議員8人と事務局職員の二人の計10人だ。
視察先はスペインとフィンランドで10人の旅行費用は8日間でおよそ800万円かかっている。
ちなみに飛行機はビジネスクラスだったようだ。
公務中にワイン、ビールを飲み、ブランド店でショッピングを楽しんでいた。
新聞報道によると8日間のうち実際の視察活動は僅か10時間で北九州市のオンブズマンが費用の返還を求めている。
ちなみに海外視察した議員の中に自民党や公明党以外の野党議員もいた。
北九州市への報告資料によると今回の視察のテーマは”本市議会の海外視察における重点テーマとして掲げる「環境施策」、「子育て・教育」、「福祉・高齢者社会対策」、「都市基盤整備」、「文化・スポーツの振興」等のうちから、今回は「環境」、「エネルギー」、「女性活躍」、「IoT」、「福祉」等について調査研究を行う”とある。
視察のテーマだけは立派だがその行動があまりにもかけ離れている。
この「海外視察」は自治体によっては任期期間中になかば義務的になっているところもある。
議員になったのなら行かないと損のような風潮になっているようにも思える。
自分は「行くな」とは言わない。
「行くなら仕事をしてくれ」そして折角海外に行ったのだから「旅行期間中の一日ぐらいは観光に充てても良い」というスタンスだ。
概ね多くの方の意見は同じではないだろうか?
国もさることながら地方の財政はひっ迫している。
地方議員とはいえその血税で遊んでいる場合ではないのだ。
このテレビ番組による市民の抗議もあり結局、北九州市議会は10月16日に定例的な「海外視察」を取りやめた。
賢明な判断だと思うが、今後他の自治体の「海外視察」もかなりやり難くなるのではないだろうか?
もともと報告書をインターネットの記事からコピペするなど問題が多かった視察だからそれもありだと思うが、本当に意味での視察も確実にあると思うのだ。
真面目に視察をして報告書も自分の文章でまとめ、その見聞を行政に生かすことができる議員のみがこの視察に参加すべきだと思う。