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シニアのための現代用語備忘録

エトセトラ

怖い口裂け女

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中学生ぐらいの頃だったろうか?

「口裂け女」という怖い都市伝説が流行ったことを覚えていないだろうか?

 

大きなマスクをした妙齢な女性が通学途中の子供達に声をかけてくる。

「私、綺麗?」と聞かれた小学生はわけもわからず「綺麗」と答えるとおもむろにマスクを外してその口元を見せてくる。

 

 

その女の口元は耳のあたりまで裂けている。

もし「綺麗じゃない」とでもいうようなものなら包丁を持って追いかけてくるというものだ。

 

当時、学校でもかなり話題になっていた。

ところがこの噂話が面白かったのは毎日のように噂が内容が更新されていく事だった。

 

特に容姿に関しては「2mを超えている」とか「白い服を着ている」とか「サングラス」をかけているなどである。

またその行動についても

 

「ヨーグルトを食べる?と聞かれて食べないと答えると自分が食べられてしまう。」

とか「走ると世界記録並のスピードが出る(100mを6秒)ので逃げられない」

 

など噂が広がる段階であちこちで、尾ひれはひれが付いたと思われる。

駆け足の遅い友人などは深刻な顔で心配していた記憶がある。

 

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でもいくら噂話といえども自治体や警察もほっておくわけにはいかない。

北海道や埼玉県では現実の対策として「集団下校」がおこなわれている。

 

よくこの手の話は子供への戒め的な内容のものも少なくない。

例えば「河童伝説」は子供が川で遊ぶ際の戒めとして発展したものだと聞いたことがある。

 

ただこの「口裂け女」の都市伝説に関してはそのような戒め的な意味合いはないようだ。

ルーツに関する諸説はあるが概ね愛知県、岐阜県のあたりが発祥とみて問題なさそうだ。

 

口コミで広がることを考えれば日本のへそである中部地区から日本全国に波及しやすいのも理解できる。

もしこれが現代だったらSNSで瞬時に広がるだろう。

 

だがそれも写真や動画などの裏付けがあっての話だ。

当時はデジカメもなく「友だちの友だちの話」や「親戚のおじさんの友だちの話」など又聞きレベルの話が誇張された程度だ。

 

現代においてはまずその「証拠」がないかぎり噂が拡散することはないだろうと思う。

ある意味非常に良い時代だったのかもしれない。

 

そういえばこの噂がでてから数年後にはあの「ガチャガチャ」に「口裂け女の口」なるものが並んでいた。

商魂たくましいこのおもちゃ業者がほうが怖い。

 

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