我々シニア世代の男子にとって懐かしいものといえばカルビー製菓(現カルビー)から発売されていた「仮面ライダースナック」ではないだろうか?
菓子は甘いかっぱえびせんという感じで正直飽きる味付けだった。(これはあくまでも個人の意見であり商品を中傷するものではない)
多くの子供達の目的はこの菓子というよりも「おまけ」としてついてくる「ライダーカード」だった。
仮面ライダー並びに怪人たちのカードには通し番号が振られていて収集性を狙ったものになっている。
なかでもラッキーカードなるレアカードが当たると子供達のボルテージはピークに達した。
このカードをカルビーに送るとカードを収めることができる「アルバム」がもらえたからだ。
自分などはそれでも足らなくて、文房具屋に行って「名刺フォルダー」を購入した記憶がある。
この手のカードの元祖は「プロ野球カード」と言われているがそのブームの規模は元祖を遥かにしのぐレベルだったのではないだろうか?
近隣の裕福な家庭の子供はこの「仮面ライダースナック」を箱買いして菓子は空き地に捨てていると話を聞いたことがある。
当時はあちらこちらでこのような無駄な買い物が増えて社会問題になっていた。
大人になって冷静に考えれば印刷物と言う原価の安い産物に相当の価値を植え付けらたわけでカルビー側の戦略をあっぱれというしかないだろう。
形が違うが昨今のアイドルの販売戦略も似たりよったりのような気がする。
むしろこちらのほうが単価も高く悪質とはいわないがお金を出している世代が子供ではないところに危惧を感じてしまう。
仮面ライダーを含めてアイドル(偶像)は夢を売るのが仕事だ。
しかしその夢があまりにも高額になっては意味がない。
人には人それぞれの「価値感」がある。
それを他人がとやかく言う事はできない。
でもあえて言いたい。
40歳を超えてなおアイドルに入れ込む人達がいる。
下手をすると数百万単位でお金を投じているだろう。
今が楽しくて満足できればそれで幸せだ。
でも気がつけば友人達は幸せな結婚をして子供達にも恵まれている。
家族がいる幸せはお金で買うことが出来ないものだ。
初めて後悔をした時にはアイドルに投資した時間と金はもう戻ってこない。
それはあたかも遠い昔、あの空地に捨てた「仮面ライダースナック」のようだ。