「買い物難民」の地域といえば概ね地方が当てはまるような気がしていた。
ところが最近では都心部でも「買い物難民」の地域がでてきているようだ。
人口減少がおきている地方に「買い物難民」がでてくるのは理解できる。
何故ゆえに東京などの都心部で「買い物難民」問題が起きるのだろうか?
もともとイオンやイトーヨーカ堂などの大型スーパーは地域の「商圏人口」から出店計画を立てる。
たとえば最近増えている大型ショッピングモールだと商圏人口が30万人以上、商圏距離が30kmぐらいと言われている。
小型スーパーマーケットでも商圏人口が5000~1万人、商圏距離が半径2km以内らしい。
特に大型ショッピングモールは地代の高い都心部ではなく広く土地が確保できる都心部の周辺都市の展開している。
これではもともと都心部にいた若い人達は買い物に行けても、高齢者が買い物に移動するのは難しい。
こうなると都心部に残っている小型スーパーマーケットには若い客が来なくなる。
高齢者しか残っていない都心部の小型スーパーマーケットが売上維持を期待するのは難しい。
もともと高齢者は加齢とともに消費量が落ち込んでいるからだ。
ここでこの小型スーパーマーケットがこの地域を撤退することになる。
そこで買い物空白地域が生まれてしまうのだ。
ただこの客の奪い合いもスーパー間の顧客の取り合いだけともいえない。
この状況に輪をかけているのがネット通販の隆盛がある。
アマゾンは「生鮮食品」も手掛けはじめている。
本来、小売業とは「日銭商売」で効率が良いとされていた。
日々現金が入ってくるが仕入先への支払はひと月後の掛け買いでOKである。
それも客がわざわざ買いに来てくれるので配達をする必要もない。
大型の小売店はキャッシュフロー(手元にある現金)的には非常に効率の良い商売といえる。
でもこういう状況になるとあまり都合の良いことばかりも言えなくなってきてしまった。
クレジットカード決済も必要だろう。
価格も近隣の競合店だけ気にしていれば良い時代ではなくなってきてしまった。
消費者も困っているが小売側も悩んでいるのが実情だろう。
思いかせばコンビニが出現する前の昭和にあった街の商店街が本来は理想的な形だったのかもしれない。
専門化しており一店舗あたりの規模も小さいので商売する側もやり易かったはずだ。
小売業は本当に進化していると言えるのだろうか?