山手線の上野駅から北側の二つ目に日暮里駅がある。
この駅の北側の改札を抜けた道路の反対側に線路を見下ろす事ができるスペースがある。
実はこのスペースからは日本の鉄道で最多のものを見る事ができる。
それは並列した路線の数だ。
山手線、京浜東北線、宇都宮線(東北本線)、高崎線、東北新幹線、北陸新幹線、常磐線、そして京成線が並行して走る様は壮観だ。
朝のラッシュアワー時は山手線と京浜東北線が満杯の客の積んで並行してホームに入ってくる。
山手線は11両編成、京浜東北線は10両編成だ。
これらの電車がラッシュアワーの際には数分単位で入ってくる。
地方から東京に来た人が度肝を抜かれる瞬間だろう。
さてこの「京浜東北線」だが、独立した路線ではない。
あくまでも大宮駅から東京駅間は東北本線の線路の一部であり、東京駅から横浜駅は東海道線の一部、そしてそこから根岸線に入って大船駅が終点となっている。
実はこの発想は山手線にも使われており田端から東京駅間は東北本線の線路の一部であり、東京駅から品川駅間は東海道線の一部という扱いになっている。
どうも発想が官僚的なのだがいたしかたない。
京浜東北線に戻るがこの路線は上りの終点である東京駅を中心に運行している関係上、「上り」、「下り」の概念がない。
だから大宮方面に向かう電車は「北行き」で大船方面に向かう電車は「南行き」となる。
これは山手線も同じで都心部を環状運転する電車には「上り」、「下り」がない。時計と反対まわりが「内回り」で時計まわりが「外まわり」となる。
この京浜東北線と山手線は田端駅から田町駅までは進行方向に合わせて同一ホームに停車する。
もちろん客の利便性の事を考えての事だ。
京浜東北線は1988年3月より快速運転を始めている。
その際に田町駅が停車駅となったのは品川駅で山手線と京浜東北線のホームが分離するためと言われている。
京浜東北線で北側から来た人が渋谷方面に乗り換える際に階段を使わなく済むようにの配慮だ。
ちなみに田町駅の南側に新しくできる山手線の新駅は品川駅と同じく山手線と京浜東北線のホームが分離する事になる。
新駅ができても田町の快速電車の停車は継続されると思われる。