我々シニア世代のアイドルといえば1970年代が天地真理、南沙織、そして「花の中三トリオ」と言われた山口百恵、桜田淳子、森昌子。
また男性でいえば「新御三家」といわれた郷ひろみ、西条秀樹、野口五郎の三人だろう。
そして1980年代となると小泉今日子、河合奈保子、柏原芳恵、松田聖子だ。
男性だと「たのきんトリオ」として田原俊彦、近藤真彦、野村義男などが代表格だろうか?
皆さんも誰かしらのファンだった時期があるのではないだろうか?
かくいう自分もこれといった特定のファンはいなかったが、まわりの友人達が一人の女性にメロメロだった事を覚えている。
それは松田聖子だ。
この1970年から1980年代におけるアイドルの中でも松田聖子ほど突出した存在は他にいないだろう。
松田聖子は現在でも精力的にディナーショーを開催して往年のファンを集めているようだ。
ちなみに松田聖子の現在の年齢は56歳。
ファンにとっては松田聖子がいくつになろうとアイドルである事にはかわりない。
自分はさして興味があるほうではなかったが、彼女のアイドルとしてのプロフェッショナルな部分に関しては多少の興味を感じていた。
彼女には悪口がつきまとう。
「ぶりっこ」とか「泣いているのに涙がでていない」とかだ。
ところがすべての女性を敵にまわしているのかと思えばそうでもない。
アンチ聖子がいると同時に女性ファンも多いのだ。
女性ファン達は彼女の髪型である「聖子ちゃんカット」を模倣する。
以前、島田紳助が若手の芸人達にこんな事を言っていた。
「自分と同世代の客を掴むこと。なぜなら価値感が似ていて同タイミングで年を取っていくからだ」。
島田紳助は残念な引退となってしまったが、この発想には驚かされた。
彼は「やんちゃなヤンキー」だった事をネタにしながらも冷静にファンを作る事を分析していたのだ。
何故か松田聖子にも合い通づるモノを感じる。
彼女は男性ファンをとりこにしながらも同世代の女性までも取り込んでいたのだ。
昔テレビである方が松田聖子に触れていた。
「彼女は笑っている時に目は笑っていない」というものだ。
あどけない顔をしながらも心の奥底は「野望」で満ち溢れているのだろう。
それを悪いと言わない。
彼女の野望はファンである人達を今も幸せにしているのだから。
あれから二十年経った今、現代のアイドルはさらにマーケティングが進んでいる。
バックにいるのは金の亡者だけのような気がする。