時刻表マニアにとって巻頭にある地図はとても重要だ。
時刻表の時間を追いかけながら地図の上を辿って行く。
この地図がないと旅ができないのだ。
ところでこの地図を見ていくうえで非常に気になる駅がある。
それは四方から路線を集めるターミナル駅だ。
自分はそれを「扇の要駅」と読んでいる。
「扇の要」とはもちろん扇の中心部分で空路でいうところの「ハブ空港」にあたる。
その地方を統括するぐらいの都市にこの手の「扇の要駅」が多く見られる。
今回はあえて東京や大阪などを除いて紹介してみる。
まず最初は福島県は郡山駅だ。
郡山市は県庁所在地ではないが今や福島市を凌駕する人口を有する。
それもトップのいわき市に3,000人で肉薄している。
この都市の発展には「地の利」を感じざるえない。
福島県は大きく三つの地域に分類される。
太平洋側の海岸線に接する地域が「浜通り」、奥州街道沿線で県の中央部を属する「中通り」、そして県西地区の「会津」だ。
郡山駅はこの三地域を結ぶ鉄路(東北本線、東北新幹線、磐越東線、磐越西線)の要衝なのだ。
またプラスアルファで南東に向かう水郡線までついてきた。
まさに「扇の要駅」だ。
次に紹介するのは埼玉県の大宮駅だ。
この駅には東側から東武アーバンパークライン、東北本線、高崎線、東北新幹線、上越・北陸新幹線、川越線、埼京線と完全に「扇の要駅」になっている。
この大宮駅は乗降客数も多く一日あたり25.5万人、JR東日本管内で9位につけている。
なんとあの上野駅、秋葉原駅よりも多いのだ。
さて次に紹介するのは岡山駅だ。
中国地方の中心都市は広島で異論はないと思うが、中心駅となると岡山駅になるのでないだろうか?
山陽新幹線はもちろん四国に渡る瀬戸大橋線、陰陽連絡路線の伯備線、その他赤穂線、津山線、吉備線と山陽本線の岡山駅に路線が集まってくる。
これぞまさに「扇の要」だ。
これら「扇の要駅」は新幹線に乗っているとその実力を感じることが多い。
その駅に停車する5分ぐらい前から各路線の乗り継ぎ案内を延々とするからだ。
案内をする自動放送もどこか誇らしげに聞こえるてくる。
各路線も新幹線のダイヤに寄り添うに組まれている。
時刻表にはこんな楽しみ方もできるのだ。
あなたのお住まいの地域にはどんな「扇の要駅」があるだろうか?