シニアの原宿といっても「巣鴨」の話をするつもりはない。
我々シニア世代にとって「原宿」は「原宿」だからだ。
自分も中学生ぐらいになると少し色気づいて来て都内に行くとなると原宿に行くようになった。
都心部からおよそ1時間。
中途半端な田舎に育った自分にとって月1回程度行く東京はカルチャーショックの連続だった。
なかでも新宿と原宿と突出していた。
当時は渋谷よりは新宿、新宿よりは原宿のようなイメージだった。
その原宿の人気を決定つけたのが、TBSで放映された「あこがれ共同体」というドラマだ。
郷ひろみ、西条秀樹、桜田淳子のアイドルが共演して話題になった。
特にこの主題歌を吉田拓郎が作曲して山田パンダが歌った「風の街」がなんとも原宿への憧れを掻き立て思い出がある。
しかし冷静に考えるとあのようなお洒落な街が自然発生的にできるのが東京の凄さだと思う。
この原宿は名前からわかるようにもともとは「鎌倉街道」の宿場町からスタートしている。
1906年(明治36年)に山手線の原宿駅が完成。
1919年(大正8年)に明治神宮創建にともない青山通りから「表参道」が整備された。
そして戦後アメリカ空軍の兵舎である「ワシントンハイツ」で作られると「キディランド」などアメリカ兵とその家族向けの店がオープンしてその原型を作っていく事になる。
そう「表参道」と聞くと何故かお洒落に感じるが、千葉県の成田山にある表参道や京都の清水寺に向かう「三年坂」などの参道と同じものなのだ。
あえて違うといえば原宿の表参道は他の参道のように和風路線に向かっていない事だろう。
さて参道なら参道らしくお参りすべきだと思う。
まずあなたは地下鉄千代田線に乗って一つ先の「表参道駅」に行かなければならない。
駅を上がるとそこは青山通りと表参道の交差点で明治神宮の参道を表わす立派な灯篭が置かれている。
明治神宮に参拝するのなら原宿駅からお手軽にでなくこちらからお参りすべきだ。
距離にして800m、沿道の店舗やケヤキ並木を見ているだけであっという間に明治神宮の入口に着いてしまう。
明治神宮に入ってしまうと先ほどの喧噪が嘘のように静かだ。
ここが都会の中なのか忘れてしまうぐらいだ。
明治神宮の参拝が終わったら先ほどの喧噪に戻りお洒落な喫茶店でお茶でもしてみてはいかがだろうか?