現代の子供達に「カセットテープ」と聞いてもピンと来ないと思う。
1970年代にオランダのフィリップス社が発売した「カセットテープ」は録音・再生媒体として一世を風靡した。
1990年代にソニーがMDを発売するまで録音媒体としては我々シニア世代も重宝させてもらった。
1970年代といえばステレオの流行の始まりでもある。
当時はまだオープンリール全盛の時代でその煩わしさから本当に必要なものしか録音できなかった。
ところがこの煩わしさを一気に解決したが「カセットテープ」だ。
その後「ラジカセ」なる商品もでてきて「カセットテープ」はより多くの人の必需品に移行していく。
当時はレコードなどの「レンタルショップ」もまだなく、多くは友人から借りてきたレコードの録音が主流だった。
その後FMラジオの音源を録音する「エアーチェック」が流行りカセットの本数も増えていったのを覚えている。
その当時のメーカーといえば皆さんご存知の「TDK」だ。
この「TDK」は「東京電気化学工業株式会社」から命名されている。
「カセットテープ」と言えば「TDK」というぐらいのブランド力があった。
ところで「カセットテープ」ブームが終わった今この会社の主力は電子材料、電子部品の他、やはりビデオテープやフロッピーディスクなどの記録メディアを生産している。
さて先ほど「カセットテープ」ブームが終わったと表現してしまったが、ここに来て復活の兆しがある事はご存じだろうか?
最近でも欧米の人気ミュージシャンがCDの他にカセットテープ版も発売しているらしいのだ。
カセットテープ版が売れるという事は聞くためのハードつまり「ラジカセ」や「カセットプレーヤー」も普及しているということだ。
どうもアナログならではオリジナル音源に近い音との評価もある。
そもそもレコードのもとの音源はデモテープに録音していくから納得の行くところでもある。
またもっと簡単な理由として録音、再生が簡単ということもある。
それこそシニアの方が録音しようにもスマホやMP3など正直作業が煩わしい。
昔のようにカセットポンで音楽が聞ければ良いのだ。
音質よりも気軽に音楽を聞けることが目的のユーザーには一番使い勝手が良い音楽記録媒体というわけだ。
たまには押入れにしまいこんでしまった懐かしいカセットテープをひっぱりだして、若かりし青春時代の思い出の曲をアナログで聞いて見るのも良いかもしれない。