今回のロシアワールドカップでたびたび試合が中断した事は記憶に新しい。
審判がジャッジが難しいと判断した場合に確認していたのが「VAR」だ。
この「VAR」は「Video Assistant Referee(ビデオアシスタントレフリー)」の略で単なる再現ビデオではなくより高度なジャッジを行うことで審判の中立性も確保できた形だ。
がサッカーのようにスピード感が求めらえるスポーツでそのたびに進行が妨げられるのもちょっと考え物だ。
思い返せばサッカーとはその曖昧なジャッジの歴史でもある。
アルゼンチン代表のマラドーナが1986年のワールドカップイングランド戦での「神の手ゴール」は有名だ。
イングランドゴールキーパーと空中戦で競ったマラドーナの手がボールに触れゴールに吸い込まれた。
イングランド側は審判に「ハンド」をアピールするが認められずゴールとなった。
後にマラドーナはインタビューのなかで「ただ神の手が触れた」と表現して安易にハンドを認めたのだ。
そもそもこの「ハンド」自体も非常に曖昧なルールで、選手が意図的に手で触ると反則だ。
今回の日本-コロンビア戦でも一発レッドカードで退場になっている。
ところが偶然当たってしまった場合はファールの扱いとなる。
なんとも審判の微妙なさじ加減にかかっている。
またハンドではないが日韓共催のワールドカップでも日本代表の微妙なゴールがあった。
ロシア戦で日本が歴史上初めて「勝ち点3」を取ったが、このゴールをした稲本はパスをもらった時点でロシアディフェンダーより前にいた。
明らかに「オフサイド」だ。
でも開催国のアドバンテージなのかこの時主審は笛を吹かなかった。
これももし「VAR」があってロシア側が確認を求めてきたらたぶんアウトだったのではないだろうか?
サッカーに限らず怪しいジャッジは多い。
シドニーオリンピックの柔道重量級で篠原信一がフランスのダビド・ドゥイエの内股又に「内股すかし」で返して金メダルと思いきや二人の審判がダビド・ドゥイエの内股一本とした。
この技もかなり微妙な技で相手が仕掛けてきた内股の足を途中で抜くというものだ。
果たして外国の審判団がこの技を知っていたかも疑問である。
現在ではビデオ判定にプラスして「ジュリー制度(審判を監視する審判の設置」により柔道もだいぶ安心して見られるようになった。
サッカーの「VAR」システムは今後どのようなジャッジをするのか興味深々だ。