「うどん」の汁ほど関東風、関西風とはっきりしている料理はないと思う。
自分は正直どちらも好きだが、やはり継続的に食するのであれば関西人から「しょっぱそう」と言われる関東風の味付けの方が好きだ。
そもそもこの関東風と関西風の味のボーダー(境界)はどこなのか?
日清食品が「どん兵衛」を商品化するにあたって開発担当者が東海道線の立ち食いうどん屋の味を各駅で確認した事は有名な話だ。
確か名古屋市内で混じったという事だ。
名古屋といえば独自の食文化で有名な土地でもある。
この関東と関西の中間地点としていろいろな料理が融合しあいながらその食文化を形成していったのかもしれない。
現在、「どん兵衛」は味を東西に分けて展開しており地域に密着したマーケティングをおこなっている。
ちなみにこの関東と関西の味付けはどうすればわかるのか?
今度「どん兵衛」を購入した際にカップ側面を見てほしい。
アレルギー表記の右側に「(E)」とか「(W)」の表記があるはずだ。
「(E)」はEASTで関東風、「(W)」でWESTで関西風となる。
昔、料理の味や文化は人の往来により伝承されていった。
だからその伝達するスピードは非常に遅かったわけだ。
ところが現代におけるそのスピードはご存じのとおり超高速だ。
発信力のある人のSNSで料理に関するコメントは一瞬にして数千キロ先に伝わる。
一説にはネット上で「香り」とか「臭い」を伝えるのはそんなに遠い未来ではないらしい。
そうなると「味」の伝達も時間の問題だろう。
また最近、地方に行って思うのだがテレビ番組が東京のKey局化しておりファッションや文化、料理なども東京とのタイムラグが無くなって来ているように思われる。
言葉はなおさらだ。
最近、地方の人と話をしても若い人は普通に標準語を話をしている。
ある意味、関西人の関西弁がほうが目立ってしまうぐらいだ。
関西は標準語化しない「最後の砦」かもしれない。
もちろんそれを悪いと言っているのではない。
むしろ独自のお国訛や食文化などは積極的に残すべきだと思っている。
話を戻そう。
地域性による味の差があって当たりまえだ。
むしろそれを許容する人と許容できない人との間にある境界が生まれてくるような気がする。
日本なんて狭い国だと思っていたがそれでもこれだけの地域性が生まれてくる。
これが世界だとすると戦争も避けきれないような気もしてくる。