日本大学アメリカンフットボール部の悪質タックル問題は収束の糸口が見えてこない。
記者の質問に対する答えが的をえていないので見ているほうもイライラしてくる。
理事長が出てくれば一旦、落ち着くと思えるのだが、広報担当や学長が対応するためマスコミの当たりが強くなる。
まだ暫くは揉めそうだが、今回、日本大学の「ガバナンス」という言葉がやたらと新聞紙面やテレビのニュースに取り上げられている。
「ガバナンス」とは組織の評価基準なっている様だがその意味は何なのか?
「ガバナンス」とは政府や企業などの「統治」もしくは「統治力」を意味している。
特に「コーポレートガバナンス」と表現される様に企業に一旦問題が起きると、その信用回復のための企業の力量が問われる。
今回の日本大学の対応は危機管理上、「ガバナンス」の評価を著しく落してしまった事になる。
そこに輪をかけてこの大学には「危機管理学部」があり、こちらも来年の入試に暗い影を落しそうだ。
日本大学は1920年創立のマンモス有力私立大学だ。
卒業生はおよそ116万人、卒業した社長の数はおよそ22,000人で両方とも日本の大学一を誇る。
教育機関としてのすそ野は広く、幼稚園が3園、付属小学校が3校、付属高等学校・中学校にいたっては26校もある。
ここまでの規模を擁してあの程度の回答しか出来ないのであれば、それは組織としての「ガバナンス」を問われてもしょうがないと思う。
総監督が最初に出てきて弁明行為をした事が間違っていたのだ。
マスコミでも批判されているが早い段階で理事長が出るべきだったと思う。
今となってはどんなタイミングで出ても非難されるのが目に見えている。
起きてしまった事はしょうがない。
その危機に対してどう対応するかを教えるべき教育機関がこれでは話にならない。
現代はSNSが全盛だ。
情報は一気に拡散する。
とかく悪い噂は拡散しやすい。
組織内で不慮のトラブルに関する対応策を練っておかないと取り返しのつかないことになる。
ましてや組織の規模がでかければなおの事だ。
最近のメーカーは商品に関するクレームを消費者からつけられるとすぐ差し替え商品の話に持っていく傾向がある。
たぶんにクレーム処理をする時間を短時間にすませたいからだと思うが、企業側に非があろうとなかろうとそのような対応をするのもどうかと思う。
でもこれは不慮のトラブルに関する対応策として最終的に落ち着いたものではないだろうか?
もちろんあまり値が張る商品の対応は難しいが、ある程度の価格なら原価に上乗せしておけば済む話である。
今後、教育機関でもこの程度の保険はかけておく必要があるかもしれない。