M&Aは「merger and acquisition」の略で、日本語では「合併と買収」と表現される。
最近では競争力強化のため、日本でもだいぶ増えてきている。
日本では流通業にこの取組が多く有名なところでは「イオン」だろう。
イオンといえば一部上場で日本の二大流通グループでの一角だ。
ではそのイオンの前身はご存じだろうか?
そう「ジャスコ」だ。
ではその「ジャスコ」の前身はご存じだろうか?
「ジャスコ」は1969年に三重県四日市の「岡田屋」、兵庫県姫路市の「フタギ」、大阪府豊中市の「シロ」の三社が共同仕入れ会社を創業したのが始まりだ。
「ジャスコ」は「Japan United Stores Company」の頭文字からとっている。
ちなみに現在のイオンの代表である岡田元也氏は「岡田屋」の系列であり、その弟はご存じの通り衆議院議員の岡田克也氏である。
当時は駅前の陣取り合戦が当たり前の時代にジャスコは郊外型の大型ショッピングセンターにこだわった。
東京などの都市部ではダイエーやイトーヨーカ堂がしのぎを削っていた時代だ。
だから都市部ではジャスコの認知度は非常に低かった。
その後、ジャスコは地方の百貨店やスーパーとM&Aを繰り返して規模を拡大していく。
そこで重要なるキーワードが「スクラップ&ビルト」だ。
「スクラップ&ビルト」とはその名の通り、不採算店舗はどんどん潰して採算の取れる店舗を建設するというものだ。
えてして創業の一号店というのは経営者にとって潰し難いものだ。
でもM&Aで取得した店舗にその手の感情は不要だ。
必要なのは数字だけだ。
その後のイオンは凄かった。
静岡を地盤とする「ヤオハン」、そして「マイカル(旧ニチイでサティやビブレなどの業態を展開)」を傘下に収め、2015年にはついに業界の雄だったダイエーまでも傘下に収めた。
今となって従業員13万5000人を擁する大手流通グループになってしまった。
岡田屋の前身の「篠原屋」は1798(寛政10)年の創業だ。
その家訓に「大黒柱に車をつけよ」がある。
「店の大黒柱に車をつけていつでも移動できるようにしておけ」という意味だ。
要はいかなる時も時代の変化に対応するフレキシブルな発想が必要ということだろう。
その具現化されたものが「スクラップ&ビルト」ではないだろうか?
創業の一号店にこだわっていると商機を逃すということだろう。
「商いとは飽きない事」とはうまく言ったものだ。
イオンは飽きないどころか次のステージを淡々を模索している。
今後もイオンから目が離せない。