東京という街は大きな街だと思う。
およそ都市という概念を超えている。
よく地方にお住まいのシニアの方から東京にいっても規模が大きすぎて土地勘が出来ないというお話しが聞く。
今回は鉄道ではなく道路という概念から東京の街の歩き方を少し話をしてみたい。
多くの方の街の地理感というのは、街の中心となる駅を座標軸の「0」にして把握していないだろうか?
特にわかり易いは札幌市や京都市などの「碁盤の目」の街だ。
札幌の友人に聞くと、住所を聞くとだいたいの位置を把握できるという。
厳密には札幌市は駅ではなく、大通りと創成川通りの交点が座標軸の「0」になっている。
例えば背後にビルが出来て景観が悪くなったと話題の札幌時計台は「北一条西2丁目」(この座標軸から北へ1西へ2街区)となんともわかり易い住所表記となる。
ところが駅が多く、また各方面への街道が放射状に発達した東京にはこの概念は通用しない。
そこでまず覚えて欲しいのが、日本橋から各方面に配置されて街道(国道)だ。
北に向かう日光街道(国道4号)、北北西に向かう中山道(国道17号)、北西に向かう川越街道(国道254号)、皇居の南側を桜田門から内堀通りとして迂回して四谷-新宿へと向かう甲州街道(国道20号線)、その20号線から三宅坂から分岐して渋谷-厚木方面へと向かう厚木街道(国道246号線)、日本橋から桜田門を左折して京都に向かう東海道(国道1号線)ぐらいをまず地図になぞって欲しい。
次に都内には大きな環状道路が8つある。内側から「内堀通り」、「外掘通り」、「外苑東通り」、「外苑西通り」、「明治通り」、「山手通り」、「環七通り」、「環八通り」だ。
この中の明治通りをぐるっとなぞってみてほしい。
六本木から麻布通りを南下して古川橋のところが明治通りの起点だ。
そこから時計まわりでぐるっと江東区夢の島までなぞってみる。
そうすると先ほどの放射状の街道との交差点に有名な街がでてくるはずだ。
国道246号と交わる付近が渋谷駅、国道20号線と交わる付近が新宿駅、国道254号と交わる付近が池袋駅、国道17号と交わる付近が巣鴨駅というわけだ。
山手線にある有名な駅は突然、街ができたわけではない。
皆、街道沿いに発達した街なのだ。
新宿などはその典型で甲州街道の宿場町だった。
こんな風に鉄道路線ではなく街道沿いに街の位置を意識するとある程度の土地勘ができてくると思うがいかがであろうか?